医療、福祉に貢献するために

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~ 株式会社メディチュア Blog

2017/06/22

回リハのリハビリ出来高払いから包括払いの可能性

昨日に続き、回リハの話。

繰り返すが、回リハの点数は、ベースとなる診療報酬を基準に考えると高くない。昨日は、入院加療の必要性について問題点があることを述べた。今日は、そもそものリハ単位数について述べる。

回リハでは、多くの患者に6単位以上のリハビリが実施されている。リハはその後の日常生活自立度を左右する大きな要因であり、その充実は好ましいことだが、効果のあり・なしにかかわらず、20分1単位として、出来高で報酬を得ることができるのは微妙である。

MMオフィス工藤氏は、「海外等を見れば、長時間リハに耐えることができ、意欲のある人にリハを実施し、しかもリハは包括だ。日本も出来高の時代が永遠に続くことは考えにくい。いずれ包括になる可能性もあるだろう」というようなことを言っていた(自分が聞いたのは、おそらく5年以上前のことなので、多少のニュアンスの違いはご了承ください)。そのときの講演資料は、引用・転載許可をもらって、ことあるごとにいろいろな方に見せてきた。

回リハのリハビリが出来高から包括になる可能性は、


  1. 地域包括ケアのリハ包括
  2. 回リハ1のアウトカムが伴わない6単位以上のリハ包括


これら2つの制度が出てきたことからも、世の中の流れは出来高から包括にである。

包括化されれば、より腕のよいリハ医・セラピストは、少ない単位数で、より効果的なリハを提供し、その分だけ診療報酬を得ることができるようになるだろう。

ただ、なかなか効果は出ないものの、そのときの充実したリハのおかげで、のちのち良くなった、もしくは重症化を予防できた、というような患者に対するリハがないがしろにされてしまう懸念も否めなくない。それだけに慎重に制度設計をしなければならないだろう。

リハビリは、アウトカムをあまり評価していなかった「質より量」の時代から、回リハ1のアウトカム評価のように「量が大事だけど質も無視しない」の時代になっている。今後は「量より質」の時代へ転換していくことを見据え、地域との連携やスタッフの育成をしていく必要があるだろう。

2017/06/21

回リハは高回転化が重要になるはず

回復期リハ病棟の点数は高くない - CBnewsマネジメント 回復期リハ病棟の点数は高くない - CBnewsマネジメント
いつもどおり大幅な校正は入っているのだが、無事、CBnewsに記事を掲載いただけたようだ。回リハの点数が高いか否か、という問いに対する答えは「高くない」であることを述べた。

とはいっても、現状の回リハに問題がないわけではない。問題は大きく2点。

1.在院日数の妥当性(入院での集中的なリハビリテーションの提供の妥当性)

病棟単位での在院日数の差異は、脳血管系の患者割合に左右されるため、なかなか評価が難しいのだが、先日ボツにしたグラフで示したように、療養病床から回リハを届出ているところと、一般病床から届出ているところで、在院日数に違いが見られた。疾患構成の影響以上の差異になっている。療養病床ベースのところほど、稼働率優先の運営をしている可能性が否定できない。この在院日数を延ばしている部分に対する回リハの点数に対し、高いか否かを問われれば、非常に厳しい判断となるだろう。回リハ1でその評価を行うアウトカム指標が導入されていることは、この部分に対しメスを入れていると言える。

2.転院と院内転棟の医療資源投入量の差異

医療資源投入量については、記事でも述べたが、大規模なデータによる評価が欲しいところだ。回リハも高回転化すると、リスクの高い患者を診る比率が高まる。何らかの手当が必要だ。ただし、記事で述べなかったこととして、転院の患者と院内転棟の患者では、そのリスク・コントロールが異なっているのでは?と考えている。院内転棟は、リスクを慎重に判断し、急性期から回復期リハ病棟に送っているはずだ。一方、転院の場合は、むしろリスクのある患者ほど優先して別の病院の回リハに送ってきていることもありえるだろう(露骨にそんなことをしている病院はないだろうが)。この判断は相当難しく、自分の範疇を超えているため断念したが、ぜひ中医協の場で議論してもらえると、医療機関にとっても、患者にとっても、よい診療報酬制度になるのではないかと思っている。

というわけで、中医協の議事録を読んでないので、はっきりは分からないが、支払側の委員も「回リハが高い」と言わずに、1のような具体的な指摘をしていたら、稼働率優先の回リハに対し厳しい評価を下すことができ、かつ、その手法も回リハ1のアウトカム指標の拡大・厳格化という流れも明確になったのではないかと思うのだが・・・。

こんなことを考えていたので、先日の在院日数の比較や稼働率の比較を入院料やベースとなった病床種別などで行っていたわけである。そんな検証を病床機能報告のデータから行えるのだ。なかなか便利な環境である。

先日の検討記事⇒ 病床機能報告から回リハの実態に迫る・・・のは難しい 

2017/06/20

病床機能報告から回リハの実態に迫る・・・のは難しい

病床機能報告(2016年度)のデータから、回リハの分析。47都道府県のデータが開示されているわけではなく、あくまでも一部のデータ。わずか4県(でも100病院弱、130病棟くらいのデータにはなっている)。

CBnewsの原稿として、先週からずっと分析していたのだが、ボツにしたグラフの一部を紹介(今回は本当にたくさんのボツの表・グラフが・・・)。


まず、病棟ごとの平均在院日数は、受け入れている疾患構成に依存している。そのことを見たグラフ。当然の結果。

回リハ1は高回転、回リハ2・3はそうでない・・・と言いたかったものの、一般病床での回リハと、療養病床での回リハとで、違いが出てしまっている。しかも、回リハ1は脳血管リハの比率が高いため(後述)、結果として在院日数が回リハ2・3よりも長い傾向に。高回転を証明できず。

回リハ1は重症者の割合等の要件があるため、結果として脳血管の患者比率が6割~7割程度と高く、回リハ2・3は4~5割と低くなっている。そのため、上述のとおり、平均在院日数に違いが生じていると思われる。

最後は病床利用率。療養病床ベースのところの方が総じて利用率が高い。

といった基本情報を見ながら(100病院・130病棟あるからサンプリング数としては十分とも言えるかもしれないが、たった4県分と地域に偏りがあるため、あくまでも参考情報)、回リハの今後について考えた。詳しくは、CBnewsに載せてもらえたら、その原稿を(原稿自体がボツになってしまったら、ごめんなさい)

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