2012/06/15

高福祉高負担にならないためには


7PM、カンブリア宮殿を、昨日・今日と見た

7PMでは、最後、医療コーディネーターのことが紹介されていた。
セカンドオピニオン、ドクターショッピング等の話もあわせて触れられていたが、書籍やインターネットから、ある程度情報が得られる今日、患者はより正しい情報を得ようと労力を割くことは当然の流れだと思う。
ただ、患者は医者に対する敬意を忘れず、サービスを受ける側として権利を振りかざすようなことは絶対にしてはならないし、また、医療者側も、患者に対し無理に謙る必要も権威的になる必要もなく、親身になり、思いやりのこころを忘れずに医療を提供することが重要なのではないだろうか。

自分の話になるが、およそ30年前、かかりつけの、火鉢の置かれた寒い待合室でよく長いこと待たされた。いざ診察が始まると、医者はたばこを吸いながら自分を診てくれた。カルテを書きながらたばこを吸っていた。産科が専門なのに、喘息でも、目でも、歯でも、何でも診てくれた。本当に世話になった。夜中でも無理を言って診てもらった。まさに、医者に感謝と敬意を決して忘れていなかった時代だ。

医療を良くする上では、お互いが「相手を思いやる気持ち」がますます重要であり、
少なくとも医者が患者を「患者様」と呼ぶようなことだけでは、その気持ちは、医者も患者もお互い生まれてこないのではないだろうか。


カンブリア宮殿は、亀田のK棟の紹介をメインに・・・といった流れだったが、途中で用事ができてしまったため、続きは後日ビデオで。
途中までだが、K棟のハード的な面のすばらしさはお金をかければ、どこでも真似できるのだろうが、病院玄関付近での患者の介助などスタッフのマインドは、なかなか真似できないのではないだろうか。
改めて、病院は、ハードは良いに越したことは無い、ソフトは絶対に良くしないといけない、だと思った。
なお、ハードは、ここ15年、耐震基準の見直し等の理由により、建替えが多い。これも、いくらでも立派なものを作ればよいかというのではなく、長期的なビジョンに基づき、地域の実情にあわせたハードのレベルを決めるべきなのだが、実際、立派な病院を見学し、今日の亀田のような事例を見ると、どこも立派なものが欲しくなるようだ。
この負担が、自分たちの医療費(現在はもちろん、将来も)にかかってくることを忘れてはいけない。高福祉高負担を許容することは、重く負担の圧し掛かる若者世代の未来を暗くするだけだ。

高負担にしない鍵は、医者と患者、両方のソフト的な面の改革なのではないだろうか。
2つの番組を通じて改めて感じた。