2012/12/05

病院内での固定観念を壊せ

今日の日経産業新聞の「病院大競争時代」。
昨日からの連載の2日目だが、今日も面白い内容。事務部門を始めとした院内の人材育成に本腰を入れた病院は、これから益々強くなる。 
飯塚病院、徳洲会、東海大学、戸田中央医科グループが紹介されている。記事からの引用だが、興味深い。
飯塚病院: 一部の病棟で看護師の常駐場所をナースステーションから病室に変更した。(中略)効果は徐々に出始めている。患者と接する時間が増え、患者の体調の変化に気づきやすくなった。病室内の転倒事故も減らすことに成功。
 徳洲会: 2カ月に1度、経営セミナーを開催。全病院の院長や副院長、看護部長、事務局長が集まって全グループの経営状況を共有する。前年実績に比べて税引き前利益が3千万円以上減った病院名を公表するほか、病床数や科目がほぼ同じ病院同士の経営状況を比較。治療だけでなく経営についても競わせる。 
こういった取り組みが組織的にできる病院が、利益を人材育成に回したら、本当に強い。まさに戸田中央はその事例だ。
戸田中央:適切な利益を出し続け、最新の医療機器などに再投資することが結局は患者の利益につながるという意味だ。
「最新の医療機器」とあるが、人材にも投資している病院であることが、記事本文から読み取れる。患者・職員・病院経営者、誰にとっても良い病院になるための鍵が「人材育成」だと思う。これは、例えば、職員全員が財務諸表を読める必要は無い。もっと良くなるにはどうしたら良いだろうかと考える組織風土と、組織を束ねるマネジメント能力の育成が大事なのだと思う。

先月、病院の管理部門の知人がこう言っていた。「看護部門のトップは看護師である必要はない。」 キャリアパスの都合や慣習で看護部門をマネジメントするのが看護師になっているのだとしたら、考えなおす余地が大いにある、という意味だろう。逆に、看護師は看護部長や看護部門統括の副院長がキャリアの頂点ではなく、才能に応じて事務部門や管理部門で働いたり、マネジメントしても良い。固定観念を壊すのは面白い。