医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2013/04/30

生き残る薬剤師 (meditur insight vol.2より)

薬局の生き残り以上に熾烈になると思われるのが、薬剤師の生き残りである。薬剤師は国家資格ゆえ、これまで、人数が増えすぎることもなく、やや足らない状況で管理されている。薬剤師は今後どうなるのか。調剤薬局の生き残り予測を踏まえつつ、考えてみたい。

① チーム医療に貢献する病院薬剤師

病院において、薬剤師の役割は、ますます拡大している。チーム医療の概念になるが、医師・看護師らとお互いに尊重しあい、患者の最善を尽くす上で、薬剤師の持つ薬剤に対する理解は、重要性が高まっている。特に診療科の医師が専門医として特化した特定領域に強くなる傾向が強い現代において、専門外の薬剤の知識まで網羅的に把握している医師はほとんどいないため、幅広い薬剤の知識を医療に反映させる薬剤師の役割は不可欠である。 また、インターネット上に薬剤の情報などが多く蓄積されており、様々なことを勉強している患者も多いだけに、患者からの質問が薬剤に関する踏み込んだ内容の場合には、薬剤師が答えてあげることで、医療チーム全体の信頼性も向上する。 薬に関する幅広い知識と、病院の推進する医療におけるチームの一員としての協調性、そして、患者と接する対面的なコミュニケーションスキルのある薬剤師は、この先、引く手あまたではないだろうか。


② 在宅診療支援の薬剤師

在宅こそ、チーム医療の真価が問われる形態であり、他職種とのコミュニケーションが欠かせない。病棟薬剤師と重複するが、知識、協調性、コミュニケーションスキルを兼ね備えた薬剤師は、在宅医療において活躍する可能性が限りなく高い。この在宅医療での活躍において重要になるのは、他職種の業務内容の理解と歩み寄りだ。薬剤師が訪問したときに何か患者さんが困っている状況だったとしよう。このとき、薬剤師から自分にはできませんと答えてしまうと在宅医療を行なっているチームの一員として十分とはいえない。もちろん、それぞれの専門職の業務範囲が定まっているもののグレーなゾーンについては積極的な歩み寄りがそのチームの活動・行動力を飛躍的に高める。役に立つ・患者のためになる薬剤師というのは、この在宅においては薬剤師の業務範囲に留まらない領域での経験の蓄積、知識の獲得が重要になってくるに違いない。 また、在宅で様々な患者を診るようになると、現在以上に麻薬の処方や無菌調剤が要求される機会が増してくるはずである。調剤薬局に勤務する薬剤師において、そのような薬剤師としてのスキルを備えておくことは、明確な差別化につながるのではないだろうか。

③ 分析・洞察力のある薬剤師

生き残る調剤薬局のひとつとして、様々な情報を集め、患者にフィードバックすることができる薬局を挙げた。ただし、機械が勝手にデータを分析してくれるわけでもない。常に医療環境や周囲の状況を判断しながら、様々な情報を分析し、どのようなことを患者にフィードバックすることができるか、もしくは他の調剤薬局と差別化を図れるような質の向上ができるか、考えることができる薬剤師は、単純に調剤できる薬剤師と大きな差が生じる。分析する力、洞察力のある薬剤師は、今後、重要性が増すものと思われる。

~以上meditur insight vol.2 「調剤薬局の課題と未来」より~

近所の薬局併設型コンビニ(本文とは関係ありません)
薬剤師の養成課程が4年制から6年制に移行し、その課程を終えた薬剤師が現場で活躍し始めている。現場の話を聞くと、本当に6年制の必要があったのか?という懐疑的な声も聞こえてくる。というのも、6年制のカリキュラムで変更になったことで実習等の強化から、新人を即戦力として期待したようなところでは期待外れと感じたところが少なからずあったようだ。この理想と現実のギャップは、ぜひ、薬剤師育成の長期的な視点と薬剤師が関与する業務だけでない医療・介護で求められる幅広い業務の視点に基づき、学生の実習メニュー構成に反映すべきだろう。さらには、日々の現場でも、上述の①~③のような「生き残る薬剤師」育成に向けた積極的な取り組みが重要なのではないだろうか。

2013/04/25

調剤薬局大手は拡大路線にブレーキか。「店舗数拡大勝負」から「提供サービスの質の勝負」への転換期

meditur insight vol.2より引用した調剤薬局大手の決算状況から、非常に好調である・・・といった感じで、レポートに記載した。

売上高
営業利益
経常利益
純利益
決算期
アインファーマシーズ
142,790
10,253
10,547
4,899
20124月期
日本調剤
130,041
5,464
4,941
2,085
20123月期
総合メディカル
80,222
4,848
4,881
2,504
20123月期
クオール
66,201
3,308
1,736
1,560
20123月期

1 調剤薬局チェーン大手4社直近決算状況(単位:百万円)
出所: 各社IR資料



2 調剤薬局チェーン大手4社 売上高推移 出所: 各社IR資料


多少状況が変わってきたのか、最近、その伸びに少し陰りが見え始めてきていた。
アベノミクスと言われる昨今において、大手4社の株価は日経平均に比べ伸び悩んでいるように思う(総合メディカルを除く)。実際グラフで見たところ(下図:直近半年の日経平均と大手4社の株価推移)、総合メディカル(青線)が4月半ばで高騰していることが例外的と考えると、あとは皆、ハッキリと日経平均(赤線)に負けている。



これだけ株式市場は盛り上がっているのに、直近半年、株価としてはあまり評価されていないのは、調剤薬局ビジネスに少しブレーキがかかってきたと受け取ってもよいのかもしれない。ただ、meditur insightで触れたが調剤薬局チェーンの底力は相当に強いように思う。単なる店舗の拡大・量の勝負から、提供サービスの質の勝負への転換期なのかもしれない。

2013/04/24

生き残る調剤薬局 ~強力な分析機能、顧客への情報還元~ (meditur insight vol.2より)

処方情報の蓄積とその還元

現在、薬局では、顧客の薬歴(薬剤の処方歴)を管理しているものの、それらを積極的に活用する動きは、それほど活発ではない。しかし、これらの薬局が持つ情報は、非常に有益である可能性を秘めている。これまで、薬の副作用というのは、1種類の薬剤に関するデータはある程度蓄積されている。それは発売までに必要な情報として蓄積されているものと、発売後も蓄積されるものがあるためである。しかし、実際には、1種類の薬だけを飲む患者以外にも、他の薬と一緒に飲む患者もいるだろうし、副作用が起きるのは、何も薬だけに限った話ではなく、食べ物や飲み物との相性もある。そういった膨大な情報を集めることができる立場、患者とのコミュニケーションが取れる最前面にいるのが、調剤薬局の薬剤師であると考えられる。そして、これらの集めた情報を分析し何らかの形で顧客に還元することができれば、明らかな差別化が図れる。


服用中断などの情報収集に対するアドバンテージ

副作用に限らず、他にも興味深い情報が考えられる。処方された薬を途中で飲むことをやめてしまう患者が一定割合存在する。そのとき、どういった薬を、どういった理由で、どのタイミングで止めてしまったのか。このような情報は医者には集まりにくい。「処方してもらったけど、飲むのをやめてしまった」と医者に正直に言える患者は多くない。まして、その理由が「なんとなく効かない気がするから」と言うことができる患者はいないに違いない。でも、そういった情報、薬剤師ならば、比較的収集しやすい。「この前のお薬はどうですか? お困りのことはございませんか?」と聞いてあげれば、「実は途中で飲むのを止めてしまったのです。今回も処方されたけど、飲むべきか悩んでいます。」という話につながる。このような情報を多く蓄積すると、生活習慣病の薬などで離脱していくパターンが見えてくる可能性がある。これらのパターンについて、理由までわかっていれば、処方するときに有効なアドバイスができるかもしれない。


薬局間の体力差がより顕著に

ただ、これらの情報の活用には、1例、2例の話ではまったく足らず、相当な情報を集積していく必要があるため、組織の力が不可欠である。このような観点に立つと調剤薬局チェーンはかなり有利である。システムの整備や、データ蓄積、分析ノウハウ蓄積、すべての面で個人経営の薬局よりも有利な立場にいる。

もしこのような状況が進んでいくならば、個人経営の薬局は淘汰されてしまう可能性が高い。これを脱却するには、調剤薬局チェーンに合流する、もしくは独自のネットワークを構築し同様の分析体制を整えるくらいしかないだろう。

meditur insight vol.2 「調剤薬局の課題と未来」より

2013/04/22

患者が選ぶ調剤薬局(meditur insight vol.2より)

■調剤薬局に対する「患者、一般市民目線」の強化


個々人が明確な意図を持たず薬局を選び、処方してもらっている現状では、立地がよい薬局や、資金力のある薬局チェーンが生き残ってしまう。このとき、たまたま残った薬局が、真に生き残る価値ある薬局、価値ある薬剤師を抱えた薬局であれば地域の住民は幸せだが、そうでなかった場合、薬局の淘汰、入れ替わりをじっと待つしかなくなってしまう。 そこで、個々人で取ることのできる行動によって、地域の薬局をより良くすること、もしくは、より良い薬局が生き残るようにできないか考えてみる。


① 門前薬局の取捨選択

現状多く見られる、病院から近いという理由だけで門前薬局
を選ぶ行動をまず変える。自分の行っている薬局が良いかどうか、判断基準を持つことが肝要。分からないことを質問し、その回答の分かりやすさで、良し悪しの判断をすることも一案。例えば、「処方された薬で、一緒に飲食してはいけないものがないか」や「ジェネリック薬に替えるとどのくらい変わるのか。そのジェネリック薬はどのくらい処方されているものなのか」や「明細に書かれている、○○料とは何を指しているのか」など、どのようなことでも構わない。懇切丁寧に説明してくれる薬局・薬剤師を選ぶことは、良い薬局・薬剤師が生き残るきっかけになる。

② かかりつけ薬局探し、1薬局への集約

薬局の前の医療機関に出してもらった処方箋だけを持って行っても、薬局・薬剤師の本当の実力を図るには不十分である。複数の医療機関の処方箋を、1つの薬局に持って行き、これまでの処方された履歴に応じたアドバイスをもらったり、質問に答えてくれたり、「かかりつけ薬局」として応対できるかが重要である。複数の、特に門前でない医療機関の処方箋を持って行くと、柔軟に対応できる薬局と、対応できない薬局の実力差が如実に現れる。柔軟な対応ができる薬局は、在庫があり、また薬剤に対する知識、処方の経験があるため、相談に乗ってもらい易い。一方で、対応できない薬局は、薬剤の取り寄せになるだけでなく、処方の経験も少ないため、相談に乗ってもらう場合でも、過去の経験に基づく情報を得られることは考えにくい。 


個々人であっても、「よい薬局」の判断基準を持つことができれば、どのような薬局に生き残ってもらうべきなのか考え、日々の行動に反映することができる。その結果、地域にとって、真に良い薬局が生き残るのではないだろうか。

meditur insight vol.2 「調剤薬局の課題と未来」より

2013/04/21

Meditur Insight vol.2 調剤薬局の課題と未来 発行いたしました

本日、弊社レポート第2号、調剤薬局をテーマにしたレポートを公開いたしました。
弊社サイト(⇒こちら)からダウンロードください。



~レポート概要~

近年、薬局ほど探しやすい店舗はないのではないか?と思うくらい町中で薬局を見かける。市民が湿布薬や目薬なども含めた『薬』を買う場所には、調剤薬局以外にもドラッグストアやコンビニエンスストアなども選択肢に含まれてくる。その上、病院の院外処方化の流れにより、調剤薬局の増加は止まることなく着実に増えている。

調剤薬局の乱立は、あまりに大きな利益を産む構造を狙った営利企業の戦略の結果にすぎない。顧客観点での要不要が議論されることなく、調剤薬局が増え、医療費増大の一事由になっているのであるならば、これは看過できない。
大きな利益を産む構造に対し、一市民の眼でその業務内容を見極め、報酬が適正かアラートを挙げることが重要である。そのためにも、現状の報酬に疑問を持つ等、医療費負担について真剣に考えることをしなければならない。

また、取材等を通じ真に価値のある薬局、薬剤師がいることも分かった。地域にとって価値ある薬局・薬剤師を残し育てることは、企業の競争原理だけに頼るのではなく、個々人の行動によって、正しい方向に導くことが重要である。

最後、高齢化が益々進む日本において、医療・介護・福祉の提供形態は在宅へシフトしていくことが想定される。薬局が企業努力として、この形態に応じた価値提供に向け取り組み、さらに一市民の行動によって、積極的に取り組む良い薬局を選び、薬局を育て、そして、それらを支える制度・政策を行政が整備する、このような社会になるよう、まずは自分のできる範囲から、個人個人が行動を変えていく必要があるのではないだろうか。

2013/04/20

インフルエンザ、また流行??

愛子さまがインフルエンザになられた・・・というニュース(例えば読売新聞のニュース)が先日報じられた。もうだいぶ終息したのでは・・・と思っていたのだが、どうやら、今週頭くらいから少し増えてきているらしい。

出所: 薬局サーベイランス日報

twitterのつぶやき分析でも、そのような傾向が見られていたので、少し注意が必要かもしれない。この週末は天気もあまり良くなさそうだし、体調管理には十分気をつけたい。

2013/04/19

夏日に雪が降る??

疑いたくなる天気だ。長野県白馬村では、夏日になった昨日、雪が降ったらしい。
本当か???


どうも今日から週末にかけ、大幅に冷え込むらしい。週明け、病院・クリニックは混むかもしれない・・・。

2013/04/18

弱者につけ入る『ビジネス』

今朝の朝日新聞のニュースで、パワーヘルスが取り上げられていた。製品自体は薬事法で定められたものであり、販売管理者等の規制もかかり、アフターサービスも含め、中途半端なことは許されないようになっているはずである・・・。

しかし、今朝の記事を読む限りでは、「動脈瘤が治った」など、ちょっと考えればあり得ないと思うようなことまで宣伝で謳われていたようだ。

パワーヘルスの会社ホームページ

薬事法などの法律で規制していくことも重要であることは間違いない。その一方で、患者側も身を守る術としての知識をつけなければ、簡単につけ入る隙を与えてしまうだろう。

ただ、最近事情が変わってきたと思うことは、インターネット上に生の声に近いものがあふれていることだ。例えば「パワーヘルス 効果」というキーワードでgoogle検索を行うと、下のように懐疑的な声を多く見ることができる。

google検索結果
70歳80歳のようなご高齢の方が、こういった情報を能動的に仕入れることは難しくても、家族が代わりに情報を手に入れ助言することは容易である。

弱者につけいる医療は、それは「医療」ではなく、「ビジネス」それも「悪徳ビジネス」に過ぎない。
なお、この記事になっていたパワーヘルス、「頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の緩解」には効果があるということだ(薬事法で認可されている内容)、ご参考までに。

葛根湯信者とねぎ味噌湯信者

風邪をひいた時、風邪薬を飲む、葛根湯を飲む、熱さまシートを貼る、熱い風呂に入る、はたまた、何もしない等々、様々な民間療法があふれていると思うのだが、正直、民間療法に明確なエビデンス(証拠)があるものはほぼ無いといっても過言ではない。そもそも風邪なんて3日もすれば治るものがほとんどで、葛根湯を飲んで良くなったのか、ただ単に自然治癒したのか区別がつかない。

でも不思議なもので葛根湯はベストセラーになっていて、富士経済グループの2009年のレポートによると、一般用医薬品市場で年30数億円の売上を誇る商品とのこと。

身近なところ(家の中)にも葛根湯信者がいた。風邪をひくと、どういうタイミングか分からないが、せっせと葛根湯を飲んでいる。そして、それ以外の風邪薬は飲まないらしい。これで長年すごしてきているわけで、何かしら効いているのかもしれない。

かく言う自分も、かつて、ねぎ味噌湯の効果が絶大だと信じていた時期があった。飲んだら身体がぽかぽかして、そのあと高熱がさーっと下がり、劇的な効果だと思った。もちろん、それが原因で下がったかどうかは、まったく不明だ。

こういった民間療法。信者がいるからにはそれなりの根拠がありそうだが、おそらく漢方薬は別として、それ以外の民間療法にエビデンスを期待するのは難しいように思う。ただ、24時間継続して体温や血圧を計れるデバイスが身近になり、個人で持つことが出来たら、ねぎ味噌湯を飲む前後の体調の変化を調べることができる。もちろん飲まない人の体調も調べられる。これが1人分のデータでははっきりとしたことは分からないが、100人、1,000人、100万人とデータのボリュームが増えてくると違ったことが見えてくるかもしれない。つまり、民間療法の治験を一般市民が勝手に行う時代がそのうちやってくると考えている。

ねぎ味噌湯が、いつの日か圧倒的な市民権を得る日を夢見ている。ついでに、「バカは風邪引かない」のエビデンスが揃う日も、いつかやってくるに違いない・・・。

どなたか、24時間体温が計れるデバイス、もしくは、体温を計る度にパソコンやWEBにアップできるデバイス(婦人体温計のような1日1回分をアップするものは知っているのですが、1日複数回記録・アップできるものが欲しい)をご存じないですか? もしご存知の方がいたら、教えてください。

2013/04/15

ガーゼマスク着用者は天然記念物級の珍しさ

マスク着用者数はインフルエンザや花粉症の先行指標になり得るかという視点で、昨年秋からのほぼ毎日実施していた調査を3月末で一旦終了した。

都内某所で一定ルールに従いマスク着用者数を地味に数え、週単位で平均した値を棒グラフに、折れ線グラフ2本でインフルエンザの患者数推移(東京都)とスギ・ヒノキ花粉飛散量推移(東京都千代田区)を一緒に表示した。

出所 マスク着用者:弊社調査、花粉飛散量:東京都健康安全研究センター、インフルエンザ感染者数:東京都感染症情報センター

その結果、今シーズンはインフルエンザと花粉症がオーバーラップするようなタイミングであったため、マスクだけではハッキリとしたことが言いづらいものの、マスクの種類(一体型やプリーツ型、ガーゼ型など。当調査、全期間を通じ、ガーゼタイプを見かけたのはたった2回だけ!!)や、twitterの情報など、合わせて見ることにより、風邪が流行っているような兆候や、インフルエンザが流行りだしそうな兆候をつかめそうなデータを取ることができた。

先行指標をいかにキャッチするか。この取り組みは継続して行きたいと思う。(弊社内の費用対効果があまり読めない点だけがネック・・・)

ちなみに、今話題の鳥インフルエンザA(H7N9)はこちらの国立感染症研究所のサイトが最新情報だと思う。

2013/04/14

弊社レポートの公開

1月に発行したmeditur insightと、それ以外の資料を下記アドレスにて公開しております。

http://www.meditur.jp/our-reports/

それ以外にも公開できればと考えている資料があるのですが、webへの埋め込み実装が面倒でまだ公開には至らず・・・。暑い季節がやってくる前には何とかしたいと思います。


2013/04/12

データを”活かす”とは

今週はOracle、IBMといったテクノロジーをベースとして医療の世界に向き合う人たちの話と、病院の現場で患者に向き合う人たちの話と、いろいろ聞くことができた。”ビッグデータ”というものを誰がどう活かしたらよいかという1つの明確な方向は、下の動画にあるように思う。


国、厚労省が持っているデータに対し、民間の力も含めた産官学のタッグで立ち向かい、成果が出た場合には報酬を与えるような仕組みがあってもよいのではないだろうか。国の持っているデータを「個人情報だ」「営利目的で使うのは良くない」といった意見で、レセプト情報などの宝を持ち腐れにしていることは、本当に残念なことだ。

IBMのBob Picciano氏が言っていた。「これまでは資源としての石油が大事だったように、これからは情報が『資源』となる」(私の意訳なので細かいところの差異はお許しを)。日本のように(シェールガスやメタンハイドレートなど未知なる資源には期待しているとはいえ)天然資源に乏しく、そして少子高齢化により人材も不足するような国において、「情報」という資源は何よりも価値があるように思う。国をあげて資源を生み出そうではないか・・・と偉そうなことを言ったものの、現実は手元にあるそれほどビッグでもないデータと格闘中だ。

2013/04/11

病院にはビジネスアナリティクスが必要だ

本日はIBMのInformation On Demand Conference Japan 2013 (IODC2013)を聴きにきた。”Thing BIG"ということで、ビッグデータがテーマであり、先日のOracleのイベントと似ているのだが、実際の病院現場で活躍されている方々(広島赤十字・原爆病院の西田事務副部長ら)の演題があり、興味深く聴くことができた。

かつての紙レセプトの時代が終わり電子化の進展と相まって、ようやく病院でもデータを分析・活用し、様々な判断・意思決定に生かしているという話だったのだが、病院関係者以外に話すのに相当苦労されたのではないだろうかと感じた。DPCひとつとっても説明することに苦慮されたご様子で、外保連手術指数、MDC、がん診療連携拠点病院といった用語ひとつひとつに丁寧な説明を加えられていた。

分析の内容自体に目新しいものはなかったが、IBMのModeler Serverを使って分析の可視化を行っている点は、非常に参考になった。

今日のプレゼン資料はIODC2013のモバイルアプリ(下記リンク参照)からダウンロードできた。
Android版
iPhone版
iPad版

ちなみに地域連携の話、院長が挨拶にいったのに結果が出ない・・・といった話もされていた。まさにPDCAサイクルが回りだすと地域連携のアクションは洗練されていく・・・という持論の裏付けになる話だった。おそらく広島赤十字・原爆病院は、この結果を受けて行動を変えてくるに違いない。楽しみである。
(本記事の表題「病院にはビジネスアナリティクスが必要だ」は広島日赤の講演の最後のメッセージから引用させていただいた)

2013/04/10

病院はサイロ型? たこつぼ型?

昨日IBMのセミナーを聞いていたら、顧客満足度・顧客経験価値を高める上でサイロ型組織はダメだといった話が出ていた。

Ralls Texas Grain Silos 2010

病院の組織を表現するとき、サイロ型とほぼ同義で「たこつぼ型」とも言われるが、それぞれの専門性の高さゆえに各部門間に壁を作りやすく、部門間の情報連携などで苦労する話は良く聞く。

電子カルテなどにより、昔に比べたら情報連携は強化されてきているとはいえ、顧客経験価値を個々の努力だけではなく、組織的に高めようと取り組んでいるところは少ないように思う。

組織的に一連の患者経験を理解する上で、先日読んだ「笑顔の力 病院ボランティア活動が教えてくれたこと」という本は様々な示唆を与えてくれた。

「たいせつなのは、どれだけ たくさんのことをしたかではなく、どれだけ 心をこめたかです」

という一文が本の中で引用されていた。

検査を待っている患者さんに向かって、「ぜひ、こちらにおかけになってお待ちください」と、精一杯心をこめて声をかけたつもりであっても、実はその人はおしりにおできができて、切るかどうか病院に来ている患者かもしれず、立って待っているのには訳があったのならば、「よろしかったらクッションをお使いになられますか」と言えるかもしれないし、はたまた、患者さんの恥ずかしさに配慮し、触れずにいてあげるのがよいかもしれないし、何が正解かは非常に難しい話である。

おしりのおできは変な一例で恐縮だが、要は「こころを込める」ためには情報の連携強化が不可欠であり、サイロ型・たこつぼ型の組織ではダメだ、ということである。

サイロ型・たこつぼ型の組織から脱却するためにも、笑顔の力、ぜひ読んでいただきたい。

2013/04/09

目的を持った分析がいかに重要か

Oracle社のセミナーで、ソフトバンクの孫社長の話を聞いた。

『「ソフトバンク5年連続純増No.1」は、お金をかけて達成しているわけではない。他より頭を使っているのだ。』

白戸家のCMも純増No.1に必要だが、それに加え、頭を使っているとのこと。

(1)接続状況の把握
 ドコモ、au、ソフトバンクの3社の接続状況をAndroid/iOSアプリによってチェックし、情報収集しているとのこと。月1.9億回の接続情報を元に判断していて、得られた情報を非常に多角的に分析し、設備投資・アンテナ設置などの経営に生かしていることを紹介していた。

(2)ツィート分析による顧客満足度の把握
 ツィート8,200万件を分析し、自然言語処理によってポジティブかネガティブか判断し、自社の活動がどう評価されているか把握しているとのこと。(先日紹介したブログの内容に近い)

これら以外にもYahoo!のアクセス解析による効果的な広告表示のチャレンジなど、様々な紹介がされていたが、明確な意図があり、そのための緻密な分析がなされていることが非常によく分かった。

病院においても様々な情報を保持している現状に対し、医療の効率化や質の向上といった「右へならえ」的な標語のような課題意識ではなく、将来の目標に基づく、より具体的な課題設定に応じた明確な意図に対する「分析」を行うべきだろう。

余談だが、ソフトバンクの会社ロゴが海援隊の旗に由来していたことを今日知った。孫さん、ギャグはあまり冴えてなかったが、非常に熱い男だった。

2013/04/08

赤肉は健康志向??

肉は旨い。脂身も旨いし、赤肉も旨い。
ただ健康に気遣うなら赤肉だと思い込んでいた。

でも、そんな単純な話では無さそうだ。
Wall Street Journal 記事
詳しくは上記のWall Street Journalの記事や、New York Timesの記事に書いてあるが、赤肉に含まれるカルニチンが肝臓で変化し、TMAO(トリメチルアミンオキシド)と呼ばれる物質が発生し、身体に害があるとのことだ。

カルニチンは、ダイエットサプリやエナジードリンクにも脂肪燃焼促進物質として配合されていることもあるメジャーな成分で、過剰な摂取は気をつけるべきかもしれない。
(この話の元の論文は、nature medicineに載っている⇒Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis Published online: 07 April 2013 | doi:10.1038/nm.3145

研究が進むにつれ何が良い悪いは変わる可能性がある。特に気をつけなければならないのは健康食品やサプリメントなどで特定の成分をまとめて摂ることだ。食事から摂取するのに比べ容易な反面、その影響が顕著に現れる可能性がある。NYtimesの記事でも触れていたが、小児がカルニチンを摂取することには十分気をつけ無ければならないだろう。


何が健康のためになるのか正直さっぱり分からない。昔、みのもんたが毎日のように「健康に良い」と言われるものを取り上げて大人気だったテレビ番組があった。毎日のように手を変え品を変え紹介していたが、結局は旬の食べ物を勧めているんだとおっしゃっている人がいた。なるほど、結局、旬のものをおいしい、おいしいと言って食べていれば良いのかもしれない。ちなみに、あれを熱心に観ていた祖母は今でも元気だ。

Jawbone UP いよいよ発売か

4月20日発売と書いてある。並行輸入品ではなさそう。

amazon.co.jp 商品紹介

選択肢が増えることは良いことだ。(あれこれ使ったところで仕方ないので、自分が買うかどうかはお財布と相談しよう・・・)


追記: すでにcnetなどで記事なっていた模様。4月20日発売であっているようだ⇒『リストバンド型のライフログガジェット「Jawbone UP」--4月20日に国内で販売 http://japan.cnet.com/news/service/35030311/

2013/04/01

救急搬送36回断られたニュースを聞いて、何を思うか

今日はエイプリルフールだ。軽い冗談でも書こうと思っていたのだが、書き溜めていた救急搬送の受け入れ困難について感じたことを書きたいと思う。

この件は全国ニュースやワイドショーでも取り上げられたため、ご存じの方が多いと思う。実はこの一件、自分の実家の町での出来事であり、他人事ではないのだ。
救急搬送36回断られ呼吸困難の男性が死亡 埼玉・久喜 2013.3.5 12:05 [事件・トラブル] 
埼玉県久喜市で1月、呼吸困難の症状を訴えて救急搬送された同市内の男性(75)が、25病院から計36回受け入れを断られ、通報から約2時間半後に死亡していたことが5日、久喜市などへの取材で分かった。
久喜市などによると1月6日午後11時25分ごろ、1人暮らしの男性が「呼吸が苦しい」と自ら119番通報した。自宅に到着した救急隊員が埼玉県東部や茨城県など周辺の25病院に救急搬送先を照会したが、「処置困難」「ベッドが満床」などを理由に受け入れを断られたという。 
翌7日午前1時半ごろ、37回目の照会で茨城県内の病院への搬送が決まり、約20分後に到着したが、男性は病院で死亡が確認された。男性は当初、会話が可能な状態だったが、搬送先が決まるまでの約2時間10分の間に容体が悪化したとみられる。 
問題を受けて久喜市は救急患者の受け入れに努めるよう周辺病院に要請した。
(出所:産経ニュース
このニュース、亡くなられた男性の家族、現場の救急隊員、当日受け入れた病院の担当者・医師、受け入れ要請を断らざるを得なかった病院の担当者・医師、行政、地元住民、地元ではない一般市民、そしてマスコミ、様々な立場でどう捉えているのか考えることが重要である。

マスコミは救急搬送システム・受け入れシステムの問題だと主張するような報道をする。もちろんマスコミがみな悪意に満ちているわけではないが、一方的な「市民は弱者である」とした視点で報じることが多い。これは適切なのだろうか?
正月明けの週末、医師の体制が不足がちのタイミングで、病院もぎりぎりのところで切り盛りしていたのかもしれない。実際、その状況が下の理由から推察される。

受け入れできなかった理由
 処置困難(人員や設備がない) 16件
 ベッド満床 7件
 他の患者治療中 5件
 専門医不在 4件
 その他 4 件
 (出所:J-Cast

マスコミはこの一件を報じることで誰のどういったアクションを期待しているのだろうか。「病院は断らず受け入れるべきだ」という声が市民から上がることだろうか!? いや、そんなことをしたら、この埼玉・久喜市周辺地域はますます医師から敬遠されてしまい、結果として、医療過疎となり住民が困ることになりかねない。

では、どう報じるべきなのだろうか。

救急のルール・システム整備も重要であることは間違いない(「東京ルール」がその良い例であり、これはマスコミも一定の役割を果たしたと理解している)。そして、もうひとつが救急を呼ぶ側の意識を高めることである。

軽症患者が救急車を使用する割合が高まっているという。救急外来に軽症患者が多く来ているという。こういった事が病院の受け入れを困難にしている理由の一部分なのではないだろうか。まず、この問題を市民目線で変えていくべきということを、なぜマスコミは報じないのだろうか・・・。

奇しくもこの1月6日早朝(1月5日深夜)。NHKで追跡AtoZの「119番通報に いま何が」の再放送がなされていた。この番組では、山形大の学生が119番通報したものの、やりとりの結果、出動しなかった一件を中心に、救急搬送がギリギリのところで成りなっている現状を伝えていた。出動する・しないの判断が現場に委ねられている点を取り上げ、軽症患者からの通報が多いことや、救急車が不足することすらあることも併せて報じていた。

住民が現状を理解し協力的になることで、救急システムはよりよく機能し、そしてそこで働く医師・医療者にとっても魅力的な地域になるのではないだろうか。

エイプリルフール。だからといって119番にいたずらなんて、もってのほか。wikiによると30万円以下の罰金または拘留の処罰になるらしい(⇒wiki 119番 いたずら電話)。処罰の重さがどうこうでなく、間違ってもいたずらしてはいけない。冗談は周りに迷惑がかからない範囲で留めたい。
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