2013/05/08

なぜ携帯電話のキャリアが健康情報サービスに積極的なのか

昨日ソフトバンクがSoftBank HealthCareを発表した。この発表内容には、Fitbit Flexを核としたサービス展開が含まれていて、医師などの専門家への24時間電話相談や専用アプリケーションなど、付加価値を高める努力も見受けられる。

サービスの詳細はここ http://www.softbank.jp/mobile/service/softbankhealthcare/


ドコモも同じような発表を3月に行なっている
こちら⇒http://www.d-healthcare.co.jp/newsrelease/2013/0306.html

なぜ携帯電話のキャリアが、このような健康情報サービスに力を入れるのだろうか?

携帯電話のキャリアはシンプルに考えると下の3つが収益拡大の要素となる。

1.新規契約客の獲得
2.既契約客の維持
3.既契約客の利用料アップ

健康情報サービスはどれを期待しているのだろうか。
魅力的な「fitbit flex」を日本で扱うことにより、1、2を狙い、そして対応する携帯電話機種が限られることから、機種変更を促しつつ、3を狙っているのかもしれない。

でも実は壮大な計画に乗せられている気がしてならない。
携帯電話会社は、携帯の基地局とのアクセスやGPS情報から得る位置情報に加え、fitbit flexのような活動量計を持たせネットワーク上に自動的に吸い上げることで得られる活動情報を把握することで、新たなサービスを考えている可能性はないだろうか。


想定される新しいサービス

  • 活動情報の自動取得インフラを用いた「見守り」サービス
  • ⇒自動的に位置情報と、活動情報がアップされてくることで、通常の警備会社などと明確に差別化を図った見守りサービスが展開可能。心拍計などのモニタリング機能まで加わると、病気の状況把握など、今後ニーズが増すであろう高齢者の見守りで大きくリードできる
  • 健康増進に積極的な顧客の好むエリア・スポットの獲得
  • ⇒そのエリアでの効果的なマーケティングに(例:fitbit flexで週末に活動的な層に対して、健康増進と称した旅行プランや、アパレル等の宣伝)

携帯電話キャリアは通話料金の減少とデータ通信量の増大にも関わらずあまり増えないデータ通信料金に悩んでいる。収益の多角化を進めていく上で、携帯キャリアが圧倒的優位なポジショニングであるところが「健康情報サービス」を通じた『活動情報の自動取得インフラの構築・活用』なのだ。月々490円の料金をもらいながら、fitbit flexを使ってもらい活動量データを自動的にアップしてもらえる、こんなにオイシイ話はないだろう。