医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2014/03/31

ドラッグストアが集めたい情報とは

調剤薬局が生き残るにはどうしたらいいか、弊社のレポートに去年まとめた。

meditur insight vol.2 調剤薬局の課題と未来 発行いたしました | 株式会社メディチュア

その中でも触れた、「薬局は情報を積極的に集め分析し価値ある還元を行うべき」と常々考えている。『価値ある還元』とは有益な情報や働きかけでもいいし、特別感のようなものでもいいし、はたまた、値引きでもいい(処方薬などの値引きに制約があるものは除く)。

「還元」のアイデアがなければ、取りあえずポイントや値引きで還元しておくのも手だろう。Tポイントカードなどが「ポイント」を還元してくれる理由は、間違いなく情報を集積・分析することで、売り手側に有益なことがあるからで、その有益な価値以上の還元はしていないはずだ(先行投資の可能性もあるが)。



どういったことに薬局は価値があると考えているか。すなわち、何にポイントを付けるか、だ。ヤマダ電機が来店者にポイントを付けた(≒来店してもらうことに価値がある)。では薬局ではどうだろうか。Walgreensは参考になることが多い。上記サイトにあるとおり、Walgreensは歩数でポイントが付くのだ。インフルエンザの予防接種や商品の購入は「支払い」を伴っているので目新しさは無いが、歩数に価値がある、というのは、これを何に使うか、間違いなく『次』を考えている。

付加価値により顧客を囲い込む。調剤薬局などは、そもそもの薬は同じゆえ、この付加価値の部分で差別化できないと生き残っていけないのではないだろうか。こういった趣旨で書いた弊社のレポート、参考にしていただけると幸いだ(冒頭のリンクからどうぞ)。

ちなみに、Walgreensの案内動画によると、fitbitなどの活動量計とリンクできるようだ(STEPSへの登録は米国在住者のみ)。案内動画は続きからどうぞ

2014/03/30

『この本は医学生や研修医にせひ読んで欲しい』 from 訳者あとがき (書評:医師は最善を尽くしているか)

第3部 「工夫」で書かれているスコアとベルカーブの章は、医療関連データの分析を業務としている弊社としては、あらためて何がしたいのか考える機会となった。

日本の医療はどこで受けても内容が同じなら、費用も同じだ(診療報酬上。差額ベッド代などの自費部分は除く)。それゆえ、医療の質もどこもだいたい同じで、高い水準にあるのでは?と一般市民は期待しているに違いない。しかし、この本のベルカーブの章で、現実は左右対称のベルのような形になっている・・・と述べている。
ベルカーブの章で書かれている医療の質と施設の分布
これは自分にとっては驚くことではない。医療の質を在院日数だけで推し量るのは適切でないこともあるが、質の一要素である日数について、日本のDPC病院において、その平均値で施設数のヒストグラムを書いた結果が下のグラフだ。

虫垂炎 手術での入院日数分布(左ほど短く、右ほど長い)
出所: 2013年9月中医協 DPC評価分科会 資料を基に弊社が作成
短い施設があることも事実だが、長い施設もあり、まさにベルカーブだ。平均日数の比較なので、足を引っ張っているごくわずかな患者の影響など、気になる点があるのも事実だが、平均5日以下で退院できる病院はわずかだと言える。

しかしこれは医師が真面目か否か、腕がいいか悪いか、を表しているわけではないことも大事な点だ。入院日数が長いのは様々な要因があり、簡単にいい悪いを決めることはできない。そして大半の医師は真面目だ。「手術の腕を磨く」「検査の腕を磨く」「最新の医療情報を収集する」といった観点で話を聞いていると、怠っているどころか、数少ない休みの日にまで勉強していることが多い。

つまり、現状は医師の良し悪しを決めるポイントは別のところにあり、入院日数の長さは関係ないのかもしれない。これを証明するには様々な指標とともに日数の変化動向を見なければ分からないが、何よりも患者(+保険者も)は日数の長短の差異を理解しようとしていないだろう。理解するには長い時間がかかるように思う。しかし、そのような市民が理解していない現状も含め、医療者は理解し、改善していくことを考えなければならない。この本を一般市民が読んだところで興味を持てる点がどのくらいあるかは分からないが、訳者があとがきで書いているように、確かに医学生や研修医が読むと得られるものが大きいのではないだろうか。

2014/03/28

この先、薬剤師は生き残れるのか(書評:週刊ダイヤモンド 2014/3/29号)

最新薬だからといって必ずしも優れているわけではなく、古くからある薬だってもちろんいい薬はたくさんある。ただ、これまでに従来の薬が効かなかった人にも効く薬など、様々な新しい薬が出てきている。そういった情報、なかなか手に入れにくいが、今回の特集は、非常に細かくまとめられている。
週刊ダイヤモンド 2014/3/29 特大号 「頼れるクスリ」特集
不正論文問題や高齢者の薬漬けや、MRの存在意義といったトピックも取り上げており、ざーっと理解するには非常に良い内容だと思う。

また、「腫瘍内科医」の見つけ方、というコラムも良かった。キャンサーボード等で腫瘍内科医が積極的に治療初期から関与したり、緩和ケアを最初から導入するなど、積極的に医療チームに加わっている病院もあるため、がん医療の向上に貢献しているこういった存在の認知度が高まることは非常に良いことだと思う。

ちなみに薬剤師の就職先などのコラムは、うわべだけ読んでも意味が無いと感じた。なぜ初任給が30万円なのか、といった問題の本質を考えなければ、薬剤師の未来は見えてこないだろう。

2014/03/27

病院における新しいコミュニケーションモデル

現在、病院でのマーケティングについて、新しいモデルを考えている。まだ公にはできないのだけど、興味がある人は連絡ください。

簡単な内容については、下記のスライドにまとめてあるので、よろしかったらどうぞ。

2014/03/25

血圧計の購入決定権は40~50歳・男性??

血圧計、なかなか自分で欲しくなるようなものが見つからない。介護施設で血圧計が使われている様子を眺めながら、手首タイプも悪くないな、とか考えたりもしたが、まだ購入には至っていない。

そこで、血圧計の保有状況と、未所有者における購入意向について調査(インターネット調査 N=100。30歳以上男女。2014年3月調査実施)してみたところ、30代まではほとんど血圧計を保有しておらず、50代ではすでに保有している状況が見えてきた。つまり、40代で購入することが推測される。
血圧計の保有・購入意向状況
もしかしたら、メタボ検診で指摘を受けた人が購入しているのでは?といったこともうかがえる結果だ。

さらに、まだ血圧計を持っていない人に、購入を考えているか、それは男性か女性か聞いてみた(質問対象は男女比、半々)。その結果、購入を考えている人は男性が多く、女性はあまり考えていないようだ。

血圧計の購入意向状況(男性・女性区分つき)

つまり、血圧計は、40代の男性が好きそうなアイテムにすれば、もっと身近になるのかもしれない。以下は余談だが、こんなコンセプトの血圧計なら、買ってみたい、と感じる人が少なからずいるのではないだろうか。

2014/03/24

思わず飾りたくなるような血圧計

体重は見た目にも影響するため、太りすぎたり、痩せすぎたりしないよう、こまめに測る人もいる。一方、血圧は、体型には影響ないものの、健康維持の観点から大事な指標であり、役所などに自動で測れる機械が置いてあったり、自宅で測る血圧計が数千円で買えたりするので、身近なバロメーターのひとつだろう。

血圧計、日本では、オムロン、タニタ、テルモ、シチズンといったメーカーが頑張っている。

血圧計|商品情報 | オムロン ヘルスケア

血圧計|健康管理商品|テルモ 一般のお客様向け情報

血圧計 | 商品紹介 | 株式会社タニタ

しかし、体重は比較的若い世代から馴染みがあるのに対し、血圧は若い世代はなかなか気にしないようだ。血圧計のデザインは、若者向けとはいえない「いかにも」なものが多い。

でも、アメリカWalmartのオンラインショップで見たところ、売れ筋TOP5のうち、4つがオムロンだった(TOP10では6つがオムロン)。アメリカでの売れ筋をベースに考えるわけではないが、世界で通用しているデザインということだろう。

Blood Pressure Monitors : Home Health Care - Walmart.com

若者が血圧計を買うとしたら、デザインという要素も大事だろう。圧倒的に格好良く、思わず飾りたくなるような血圧計があったら、若者は今以上に血圧を測るようになるかもしれない。

次回、血圧測定の世代間ギャップについて、もう少し深ぼりして考えてみたい。なお、血圧計や血圧に関しては以前からブログで話題にしているので、良かったら、ついでにどうぞ。
アイデアを加速させるには
スーパーマーケットに。空港に。
生活習慣病ガイドラインの重要ポイントは?

2014/03/19

医師のジレンマ(from NY Times)

今月初めにメモしていたビデオ・クリップ。



記事はこちら。
New Law’s Demands on Doctors Have Many Seeking a Network - NYTimes.com

いつまで経ってもなかなかコメントなどを書けなさそうなので、とりあえず共有まで。医師とて絶対に安定的な仕事ではないというのは、どこの国も同じか。プライマリーケアの医師がアメリカでは苦労しているようだ。

2014/03/18

売る側の都合が最大限反映された『トクホ』、いずれそっぽを向かれる(後半)

前半の記事はこちら→売る側の都合が最大限反映された『トクホ』、いずれそっぽを向かれる(前半) 

トクホを買う人はどんな人なのだろう。自分もたまに買うとは言え、それだけでは実態が見えてこない。そこでインターネットアンケート調査(30歳以上を対象。N=100)を実施した。

まず、飲んだことがあるかどうか聞いたところ、男女間に大きな差異は見られず、5~6割程度、飲んだことがあることが分かった(図1)。年代別に見ると若年層ほど飲んでいるように見受けられる(図2)。


図1: トクホ飲料、飲んだことはありますか(男性・女性別)

図2: トクホ飲料、飲んだことはありますか?(年代別)
キリンメッツコーラやペプシスペシャルといったコーラへの展開や、これらのトクホ飲料のCMが大量に流れていたことなども若年層の飲用経験を引き上げている要因と思われる。

では、飲んでいる人たちは実際に効果を感じているのだろうか。印象を聞いてみた。回答の選択肢は「はっきり効果があった」「効果があったように思う」というポジティブのもの、「よくわからない」というニュートラルのもの、「効果はなかった」というネガティブなものの4つ。自由記載できる「その他」という選択肢も用意しておいた。

図3: トクホ飲料、効果は実感できましたか?

その結果が図3だ。ある程度、冷めた消費者の姿が浮かび上がってくることを想定していたが、想定をはるかに超える冷めっぷりだ。飲んだものの効果はまったく実感できていない、というのが実態のようだ(効果を感じている人はわずか2%弱)。

これは期待する効果を感じにくいということもひとつにはあるだろう。ダイエット中にトクホ飲料を摂取しながら運動もしていたら、痩せたとしてもトクホ飲料のおかげか運動のおかげか分からない。

ほとんどの人が「効果は分からない」といっている点は興味深い。正直、効果が期待できる成分が何も入っていなくても、みな「トクホ」を信じて、少し高い飲料を買うに違いない。単に売れればいい、「トクホ」にするとちょっと高くても売れる、という企業側の論理は分からなくはない。しかし、お墨付きを与えている行政側は、詐欺的な商売に加担してしまうリスクを認識しているのだろうか。

企業側の認識と顧客側の認識の間には大きなギャップがあることは、今回のアンケート結果から容易に想像がつく。このギャップは埋まらないものだ、という姿勢で企業がトクホを売り続けるのであれば、いずれ顧客は「トクホ」に見向きもしなくなるだろう。と同時に行政は「トクホ」という制度が一般市民の健康のためでなく消費拡大策でしたと弁解せざるを得なくなるだろう。

2014/03/17

売る側の都合が最大限反映された『トクホ』、いずれそっぽを向かれる(前半)

トクホについては、このブログで何度となく記事にしてきた。


トクホ関連の記事



トクホ、かなり売れているようだ。特に飲料が伸びているようで、コンビニなどでもショーケースの中にいくつもの商品を見かけるようになった。東洋経済オンラインの記事でも「続々参戦」とあるとおりだ。その東洋経済の記事では、「試練」と称し、懐疑的な効果や、機能性表示の規制緩和などを挙げている。

飲料メーカー続々参戦、過熱トクホに迫る試練 | 週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

現状のトクホにおける一番の課題は、売る側の都合最優先ということだろう。医薬品と異なり、対外的に示す効果のほどは、眉唾ものが多かったりする。このことについては、何度もブログで書いている。しかし、売る側に医薬品レベルのエビデンスを求めるのは無茶かもしれないし、求めてしまったら、もうトクホとして商品は出てこないかもしれない。

そして、買う側はどう思っているか、そもそも効果があると感じている割合はどの程度か、知っているだろうか。買う側は懐疑的な意識下で買っているのか、それとも消極的な選択で買っているのか、はたまた積極的な選択なのか。これを把握していないと、顧客は早かれ遅かれ、そっぽを向くに違いない。続々参戦するにしても、中長期的にいかに安定した需要を作り出すか、最初から考えておくべきだろう。

次回、買う側の意識について、アンケート結果を交えながら、紹介したい(つづく)

2014/03/14

偏差値58から偏差値16への転落

DPC算定病院の知り合いなどから、機能評価係数に関する話を聞いたり、製薬メーカーの業界関係者から話を聞いたり、ここ1か月ほど、何かと話題に上ることが多い後発医薬品。機能評価係数Ⅱに、数量ベースでの評価をうまいこと組み込んだ。

どの医療機関も60%越えを目指して、取り組みが加速しているらしい。先日のMMオフィスの工藤代表のブログによると、卸の倉庫から後発品が消えた、とのこと。

後発医薬品係数はスピードのある病院が勝ち|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ

話半分にしたって、大きな動きが出てきていることは間違いなさそうだ。

話は変わるが、中学(どこにでもある田舎の公立中学)のとき、国語の成績は偏差値で55~60の間をいったり来たりしていた。漢字で稼いで、読解で落とす、情けない生徒だった。高校は地元の進学校に入ったのだが、そこで衝撃を受ける。国語の成績は低迷を続け、一番悪い時は、偏差値16まで下がった。当時、偏差値は25~75までしかないと思っていた自分は、間違いではないのか??と思ったくらいだ。(テストの点数が16点だったので、印刷ミスか何かだと思った) おそらく本質的な国語の学力はそうそう変わるものではないはずだ。

でも、偏差値58(中学)→偏差値16(高校)は現実に起きた。後発医薬品係数も、今、60%を目指している病院が多いようだが、間違いなく、みな頑張っている。今までがぬるま湯の中学校だったとしたら、来年は確実に進学校の高校に環境が変化する。今までのままだと、偏差値はガタ落ちする。60%を超えたからといって全く安心できないだろう。(おそらく上限60%を撤廃し、70%、80%という水準を上限にするに違いない) ますますの取り組み強化が不可欠だ。

余談だが、偏差値16の国語は、結局、高校を出るまで、自分の成績の足を引っ張ることとなり、これが今もってコンプレックスになっている。

2014/03/13

どうした!?と言う前に自分が落ち着け!!(どうでもいい話)

プリンターが壊れた。給紙トレイにセットしてあるコピー用紙が入っていかない。困った。クライアントへ簡単な資料を持参しようと思ったのに、直前で大焦り。

ダメだ・・・。

遅刻するわけにもいかないので、画面でプレゼンすればいいかと印刷は諦め、家を出た。結局、プレゼン自体は何事もなく、話もうまくまとまったので良かった。ただ、こういったトラブル、以前勤めていた大会社と違って、予備のプリンターがあるわけでもなく、致命的だ。(レンタルオフィスやキンコーズ、コンビニでも印刷できるから何とかなることも多いが、どの選択肢もある程度時間の余裕が欲しい)

結局のところ、いつでも余裕を持って準備しておけ、ということなのだが、正直、苦手だ。

先日お邪魔したとある病院で、たまたまコードブルーかエマージェンシーコールのようなものに遭遇。アナウンスは非常に落ち着いていた。いかなる緊急時であっても、当の医療従事者が落ち着いていなければ、現場は大混乱になってしまうだろう。おそらく、日頃から訓練がしっかりなされているか、経験が豊富なのだろう。

それにひきかえ、自分はプリンターが動かないだけで大慌て、大混乱だった。情けない。


ちなみに、後日、プリンターを落ち着いて直したところ、給紙トレイの奥から、スーパーボールが出てきた。ありえない・・・。(こどものしわざだろうけど、こどもを叱っても仕方ない。一時的とは言え、居間の床にプリンターを置いた自分が悪い)

2014/03/12

膨大な「データ」と1人の「エピソード」

データ分析を生業としている自分は、1人のデータから見えてくることと1万人のデータから見えてくることの意味が異なるという認識は常にある。1人のデータは何事にも変えられない「事実」であり、価値がある。
1万人のデータからは、統計処理(といっても最近流行りの高度・サイエンティフィックなものではなく、簡便な手法)をすることで、1人1人に向き合っている人が認識していなかったことを定量的に示すことができる。

以前、生殖医療に関するレポートを書いた(レポートはこちらからどうぞ→ http://www.meditur.jp/our-reports/)。そのレポートでは、アメリカのクリニック別データ公開の例などから「データから見えてくることには価値があり、その価値を高めることが生殖医療自体をより実りあるものにさせるだろう」と述べた。もちろん、その主張は今でも変わらず重要なことなのだが、様々な人から話を聞いたり、本を読んだりする中で、統計データが持つ「乱暴さ」を再認識した。

最近読んだ本はこちら↓


不妊治療に限らず医療は確率論的に話のできることがある一方で、ひとりひとりにはそれぞれの事情・ドラマがある。データ分析に感情を挟み込み、恣意的な結果を導き出してはいけないが、個々の背景を知ろう・理解しようと努力しつつ統計的な結果を出すように努力したいものだ。

2014/03/11

タウンページ、見てますか?

タウンページ 世田谷区版より

医療機関の広告は、医療法によって細かな規制がなされている。それが理由の全てではないが、コテコテの広告媒体の人気が衰えることはなさそうだ。

コテコテの広告媒体の中でも安定した人気を誇るのがタウンページ。業種別に調べられるから、知っているものでも、知らないものでも見つけることができる。夜間、突然の病気で診てもらいたいとき、押しかけるわけにもいかないので、とりあえず電話で確認!といった具合に、電話番号がわかれば助かるものだ。ただ、最近は携帯やパソコンで検索してしまう方が早いだけに、タウンページはなかなか出番がない。

さきほど引っ張り出してきてみたところ、NTT東日本関東病院の広告が大きく載っていた。この広告を見て「おぉ、JCI認定病院なのか。立派だなぁ。ぜひ行ってみたい!!」といった展開になることは誰も期待していないだろうが、電話番号はもちろん、診療時間やアクセスが分かりやすく書いてあるので、情報が欲しかった人にはありがたいことだろう。

こういった広告、最近では効果がどの程度あるのかさっぱり不明だが、大した費用がかからないので、この先も当面安定して需要はあるのだろう。

2014/03/10

コンタミネーションの恐れがあります

コンタミネーション。ピンと来る人はいいが、まだまだ馴染んでいる言葉とは言いにくい。

サンドイッチショップのSUBWAYで見かけた掲示
コンタミネーションとは「汚染」を意味する言葉で、食物アレルギー関連では、原材料ではないものの製造ラインなどの都合で混じってしまう可能性のあるものを表記するときに用いられる言葉だ。(英語のcontaminationの意味はこちら

飲食店ではうどん屋で「そばも一緒にゆでてます」と表示があったり、お菓子に「本製品の製造ラインでは落花生を使用した製品も製造しています」と書かれていたりする。そばアレルギーの人はうどんだからと言って安心してはいけないし、落花生が製品に含まれていなくても落花生アレルギーの人はそのお菓子に気をつけるべきだ。

コンタミネーションという言葉自体、ここ数年でだいぶ広まってきたように思うが、日本語と違い、その音だけではなかなか理解することは困難だ。ただ「混入」という言葉ではコンタミネーションを正確に表現しきれていない(「意図しない混入」というべきだろうか)。こういった新しい言葉、認知度をあげることが課題のひとつだろう。上記のサブウェイの店頭での掲示はかなり目立つ。これは普及にも役立っているはずだ。

余談だが、しらすに混じる「かに」はコンタミネーションらしい。甲殻類は食物アレルギーの中でも比較的ポピュラーなものだ(リンク先、図10-2参照 食物アレルギー診療ガイドライン2012ダイジェスト版 http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/chap10.html)。

なので、行政の食品表示に関するQA資料には、しらすについて、以下のような注意文が書かれている。子どものころ、しらすの中からカニや種類の違う魚を探していたが、今思えば、コンタミネーションのチェックだったのか・・・。

○原材料の採取方法によるコンタミネーション
・ 「本製品で使用しているしらすは、かに(特定原材料等の名称)が混ざる漁法で採取しています」

しらす・ちりめんじゃこ類や形態により消化管の除去が困難な魚を原材料とする一部のすり身類等については、厚生労働省において実施した混入検査により、特定原材料であるえび、かにを含む甲殻類が混入している食品も確認されています。


2014/03/08

忍者ハットリくんの決め台詞「ジンジン!!」

ハットリくん、子供の頃、好きだったなぁ。獅子丸のせいで、ちくわがすごく美味しそうに見えた。

先日、とある病院で、そのハットリくんがこちらに微笑みかけてきた。思わず手に取ったパンフレットがこれ。


CKDなぜなに問答集。キャラクターはハットリくんと獅子丸、弟のシンゾウとお父さんのジンゾウ。残念ながらケンイチやケムマキは出てこない。内容はずばりCKD(慢性腎臓病)の紹介なのだけど、説明がすごく分かりやすい。


そして、ジンゾウとシンゾウが説明で重要になってくるのは、腎臓と心臓の語呂合わせであることは言うまでもない。


「シンゾウのためにもCKDを見過ごさないでね」とシンゾウが言えば、ハットリくんの締めの言葉は「ニンニン」ならぬ「ジンジン」。お後がよろしいようでござる。

おまけだが、「忍者食丸くん」なる宇都宮市のCKDキャラクターが踊る動画、興味深い・・・(動画は下の続きから)

2014/03/07

かっこいいデザイン

済生会熊本 TAVI紹介サイト
ただ単にカッコいい。いまどきのデザイン。おそらく、患者となるメインの年齢層はブラウザが古かったりして開けなかったりするかもしれない(IE6とかでは表示がずれる)。

でも、こういうホームページ、いい。働く人も、うれしくなるに違いない。なお、TAVI自体はこれから徐々に浸透してくるだろう。先日テレビで紹介されているのも見かけた(慶應病院を紹介していた)。弁膜症の治療は薬物治療か外科治療の選択が基本で、外科手術が適用できない患者には、予後が厳しかった。内科的治療の選択肢が増えることは、様々な意味で重要なのだろう。また、施設リストを見たところ、現時点で実施できる施設は循環器内科と心臓外科どちらも強いところばかりだ。どちらか一方しかできない病院では必然的にできる治療を選択することになるかもしれないが、両方できる病院であれば最適な治療を選択してくれることを期待できる。とはいっても、患者はすべて受け身になってしまってはいけない。不安があれば、積極的に聞いてみることも必要だろう。

済生会熊本 TAVI 紹介サイト http://www.sk-kumamoto.jp/tavi/

TAVI施設リスト http://j-tavr.com/facility.html

2014/03/06

行動スタイルを理解するには

■家具を買いにどこへ行く?

大塚家具、IKEA、無印良品、ニトリ、東京インテリア、百貨店、大型スーパー、などなど。家具屋は様々あり、それぞれ特徴を持って、商品・サービスを提供している。

大塚家具に行く人は自分で組み立てるなんて想像もしていないし、逆にIKEAで買う人は家具が自宅に配送され、設置までお任せできるなんて想像していないはずだ。無印良品に行く人は派手なデザインの家具が欲しいとは思っていないだろうし、ニトリに行く人は海外有名ブランドの高級家具を揃えたいとは思っていないはずだ。

なぜなら、それぞれの店には分かりやすい特徴があるから、その特徴と自分の志向が一致する店を選んでいる。そういう特定の客が来ている店側は、サービスを徹底すればよい。

■なぜ選ばれているのか

クリニックでも、調剤薬局でもいい。なぜ自分のところを選んでもらっているか把握しているだろうか。さらには、患者の期待していることを理解しているだろうか。例えば、調剤薬局では、薬さえ渡してくれれば十分と思っている人もいるし、逆に十二分な説明を聞きたがっている人もいる。また説明を聞きたいのではなく、むしろ話したいことを山ほど抱えている人もいる。

患者の期待はバラバラなのに、すべて同じ対応をしていないだろうか。

自分の調剤薬局が、薬局界の大塚家具を目指しているとしたら、どんな客にも大塚家具流の対応をしていないだろうか。IKEAに行くはずだった人にオリエンタルな超高級家具を勧めても仕方ない。

そもそも調剤薬局間にIKEAと大塚家具ほどの違いがない。みなビジネスモデルが一緒だ。このあたりのことは、かつて弊社レポートの「meditur insight vol.2 調剤薬局の課題と未来」(ダウンロードはこちらから http://www.meditur.jp/our-reports/)でも述べた。選ばれる理由が『立地』だけであれば立地を磨き上げるしかない。でも、立地はなかなか変えられるものでない。これが田舎のバス停であれば、毎晩10cmずつ自宅の前に引き寄せ、1年後には30m動かした、なんて話もなくはないが、バス停と違って、普通、病院は動かせない。

■患者の期待を理解する

ではどうしたらよいか。まず、患者の期待を理解するためにできることを考え尽くす。例えばだが、カウンターのところに、赤・青・緑のボールを置き、処方箋を出すときに一緒にボールも1つ手渡ししてもらうようにする。ボールには、赤:詳しい説明が聞きたい、青:紙を渡してくれれば十分、緑:その他、みたいな意味付けをしておき、料金上の違いが生じるなら、その旨も説明した紙を貼っておく。そのようにしたら、患者も安心して、自分の意思表示をできるのではないだろうか。もちろん、処方内容の確認のため、服薬状況や残薬の確認、ジェネリックの希望などを省略するわけではない。この3色ボールはあくまでも患者の期待を理解するための手段の一例だが、コミュニケーション力の高いスタッフばかりであれば、こんなのは不要かもしれない。ただ、コミュニケーション力が高くないスタッフもいるし、患者のコミュニケーション力はそれこそバラバラだ。本来、薬局だって、ホテルのドアノブに掛ける「DO NOT DISTURB」みたいに、起こさないでね、という意思表示をしてもらうべきだ。今の薬局は、いわばホテルのすべての部屋で午前中にノックし「ベッドメイクしますね」と言っている状態なのだ。ベッドメイクを望んでいる人はいいが、起こして欲しくなかった人はうんざりしているに違いない。ましてやベッドメイクは別料金なんです、と言われたら怒り出す人がいるのは当然のことだ。

薬局だって、クリニックだって、今の業務が当たり前、と思った瞬間から、もう患者の期待を理解しようという意識が薄れてしまう。当たり前を当たり前と思わず、新しいサービスを考えていくことが大事だろう。

2014/03/05

ナイスなNICE

イギリスのNICE(国立医療技術評価機構)のサイトでは、様々な疾患のクオリティスタンダードを公開している。脳梗塞やがん、心疾患の三大疾病はもちろん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、終末期ケアや精神疾患といったものまで対象となっている。
これらのクオリティスタンダード、国を挙げて医療の質を改善・向上を計らなければならない領域から、積極的に文書化する試みらしい。日本でも様々な学会が診断・治療ガイドラインを定めたりしているが、国にもデータがあるのだからデータに基づいたクオリティスタンダードを定める取り組みにもっと積極的になってもよいかもしれない。

NICEのクオリティスタンダード、WORDかPDFでダウンロードができる。
右上の灰色のボタンを押すとWORDかPDF形式でダウンロードできる
PDFだけでなくWORDというのは、地味にうれしかったりする。そして、最近アップされている文書は、EPUBやKindleの電子書籍形式でもダウンロードできるようになっていた(下図参照)。

EPUB形式やKindle形式でダウンロードすれば、電子書籍ビューワーで見ることができる
こういった対応、日本ではまだまだ見かけることが少ない。特に政府系の資料は大半がPDFだったりする。その中でも厄介なのが、エクセルをPDF化したもので、簡単に表形式に復元できないものだ。統計資料などが白書などの紙媒体しかなかった頃を思えば、電子ファイルで公開してくれるだけでも大きな進歩だ。でも、便利になればなったで、もっともっと便利になって欲しいと考えるのが世の常だ。おそらく元はエクセルで作られているであろう表をPDFにしてしまったことで、コピペすると改行や項目がずれてしまい、たとえPDF変換ツールを使っても完璧な元の状態にできない、なんてことが良くある。せめて、PDFとエクセルで文書公開してくれれば、本当に役立つのだが・・・。

PDFやWORDだけでなく、EPUBなどの電子書籍形式での開示もしているNICEの取り組み、せっかくだからのぞいてみてはいかがだろうか。


2014/03/04

お得な病院を探せ!?

来る4月の診療報酬改定、新しい取り組みが始まろうとしている。その一つが低妥結率に対するペナルティだ。
出所:平成26年度診療報酬改定の概要(平成26年2月12日版(未定稿))
低妥結率の状況は医薬品価格調査の障害となるから、その医療機関や調剤薬局にペナルティを課そうという発想がよく分からない。病院と医薬品卸、調剤薬局と医薬品卸が価格交渉をするわけなのに、なぜ医薬品卸側にペナルティはない?? 医薬品卸は泣きついてくる病院や薬局に『交渉のカードはこちらにありますからね』と強気に出るなんてことはないだろうが、仮に医薬品卸が業界をあげてゴネたら、みんな低妥結率になり日本の医療費は激減する。

■突然の3割引きに喜ぶ国民??

同じことをレストランで考えてみよう。食材の仕入れ価格は食材卸と交渉で決め、低妥結率の場合、消費者物価指数の調査の妨害をしたということで、メニューの価格を30%引きにしなければいけない、というルールが出来たとしよう。

Aレストランは、食品卸が米の仕入れ値をゴネたせいで、妥結率が低くなってしまった。これにはAレストランが通常キロ300円のコシヒカリをキロ200円で納入しろ、という無茶を言い続けたことも理由のひとつだが、卸がブレンド米でキロ280円までしか妥協できなかったことも大きな理由だ。これが理由でAレストランは、800円のカレーライスが突然560円になった。もちろんカレーの量もライスの量も変わっていない。

一方、Bレストランは、妥結率が低くなることを恐れ、同じ食品卸からキロ300円でコシヒカリを買うことにした。おかげで800円のカレーライスは800円のままだ。

カレー560円のAレストランと、800円のBレストラン。客からしたら、Aレストラン大歓迎だ。

あれれ、これは誰に対するペナルティで、誰が得をするのだ?? あるべき姿は、800円という値段を変えるのではなく、800円の30%分である240円を国がAレストランと食品卸から徴収するべきなのでは??

■診療報酬は変えず、ペナルティを徴収する(+インセンティブを与える)仕組みを作るべき

医療機関へのペナルティは、この低妥結率に限らず、DPCのデータ提出遅延など様々なものがあるが、いずれも患者への請求額を減らす仕組みばかりだ。医療の質を損ねてしまうもののペナルティは患者負担を減らすべきだと思うが、そうでないペナルティは、患者負担を減らすべきではない。何もかも診療報酬でコントロールしようとするのはあまりにも乱暴でないか。

そして、調査協力などへのインセンティブはこのペナルティでプールしている財源から支払うのも魅力的だ。直接の医療の質を高めるような取り組みであれば診療報酬にオンしてよいが、そうでないものは患者から診療報酬として徴収するのは適切とは言えない。

しかし、なぜこんな制度になってしまったのだろうか。もし、低妥結率でお得な病院ができたら、いっそ、ここで紹介しようか。何せ初診料で700円以上(自己負担3割で200円以上)違うのだから。

ちなみに、この低妥結率に対するペナルティはバイイングパワーが圧倒的に強い大手調剤薬局チェーンの暴利を狙った施策だという話も聞こえてくるが、だからといってペナルティで患者負担を軽減させる合理性はない。

2014/03/03

2月に読まれた記事TOP3

2月はブログへアクセスできない日が生じてしまった等、ご不便をおかけしたこともございましたが、いつもと変わらず大変多くのアクセスをいただき、ありがとうございました。2月下旬はDPC関連の記事へのアクセスが急激に増えました。ただDPC関連は大したことを書いておらず、わざわざアクセスいただいたのにガッカリという方が多かったのではないかと思いますがどうかお許し下さいませ。


いよいよ診療報酬改定が目前に迫ってきたということで、3月はそういった記事も・・・と行きたいところではありますが、患者・一般市民的に診療報酬改定はあまり興味のない話だったりします。もっぱら消費税増税の方が話題なのですが、消費税増税も、その使い道が話題になるのではなく、節約術や駆け込み消費のコツ、みたいなものがもてはやされているようですね。

診療報酬改定前に、病院へ『駆け込み入院』なさる方は当然ながらいらっしゃらないと思いますが、人間ドックや健康診断など、一部消費税がかかるものもあります。病院によっては20万、30万なんていう高額コースもありますので、消費税もバカにならない金額になったりします。不安なことがあれば病院などにあらかじめ聞いておくことをおススメします。
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