2014/12/15

衆院選の結果から医療の将来を考える

昨日、衆院選が終わった。今日、衆議院議員会館の前を通ったら、胡蝶蘭などの花を届ける人が大勢いた。

前回の選挙のとき、下記のような「自民大勝により医療が変わるのか」という記事を書いていた。
この記事では、業種別の株価の騰落率を見ていた(当時、暇だったに違いない)。

衆院選翌日(2014/12/15)の業種別騰落率

そこで今日の騰落率を同様に見てみたところ、日経平均はかなり下がってしまったようで・・・。鉱業、小売業以外は値下がり。医薬品は日経平均よりマシなものの0.72%の下げとなっていた。

今回は自民圧勝が事前から予想出来ていたため、株価は選挙結果を反映したというよりは、先週末のアメリカ株式市場の下落を反映したものと思われる。

医療の方向性は大きく変わることはなく、これまでの議論が継続となるだろう。そこで、先日の厚労大臣の記者会見を下記に引用する。

(記者)  衆院選についておうかがいします。各社の世論調査で、自民党が300(議席)を越える勢いということですが、この情勢について、大臣の受け止めをお願いします。
(大臣)  私も拝見をする度にびっくりするほどの数字が出てくるものですから、これいかにというような感じで、自分の選挙区を含め、私もいろんなところに応援に行っていますけれども、野党の皆様方もそれなりに健闘されている選挙区もたくさんあって、そう簡単にいくのかなというのが私の正直な印象でありまして、これはもう何しろ、私たちとしてはこの解散を通じて、これまでやってきたことを説明をし、それからアベノミクスを継続しながら日本大改造をやっていくということについての国民の理解を得る努力を最終最後まで続けていくということしかないんだろうと思うので、特に報道されているような様相についての考えは私はありません。
(記者)  これから予算を組むにあたって、社会保障費の抑制というのは避けて通れないところだと思うんですけれども、ちょっと細かくて恐縮なんですけれども、以前から議論が行われているジェネリック医薬品の普及促進について、改めて、大臣のお考えを聞かせていただきたいなと思います。 
(大臣)  これはもうすでに大きな方向としてジェネリック(医薬品)は活用していくということは決まった方向性だというふうに思いますから、これについてまだやり方が十分ではないという御指摘がございますので、そのことを意識しながらちゃんと対応をさらに進めていくということで、何がさらにできるのかということを予算編成の中でも考えて、一歩も二歩も前進できるようにしていかなければならないというふうに思っています。ジェネリック(医薬品)の質も向上させながら、価格についてもやはり適正な価格で市場で得られるようにするということだと思います。 
出所: 塩崎大臣閣議後記者会見概要 |大臣記者会見|厚生労働省 

社会保障費の抑制について、記者の質問に対し、返答ではジェネリックの質について言及している。時期が時期だけに、本人負担や税負担による医療費負担増の議論はしなかったと思われる。選挙の結果で安定的な状態を作れたからには、医療費の削減のみならず、窓口負担増などに切り込んでくることが想定される。窓口負担増を強いるとしたら、当然ながら、市民感情に配慮し、来年度の医療費の改定は厳しいものとなるだろう。医療業界、自民圧勝の結果とて、何も安堵はできないのが現実だろう。