2015/02/11

CVS業績好調、タバコ販売打ち切りの影響は限定的⇒企業イメージ・企業価値を同時に向上させた

「タバコ、売るのやめます」

昨年の2月だった。アメリカのドラッグストアチェーン大手のCVSが、2014年10月までに約7,700の店舗でのタバコ販売を止めることを発表した。

米ドラッグストア大手CVS、全店でたばこ販売停止  :日本経済新聞
米ドラッグストアCVS、10月までにたばこ販売中止へ | Reuters

年間2,100億円近くの売上に貢献しているタバコ販売を止めるのには相当な覚悟を感じた。


その後、計画は順調に進み、何と予定を1ヶ月も前倒し全店で販売を打ち切った。

CVSが社名をCVSヘルスに変更、たばこ販売打ち切り - WSJ


タバコ販売を止めたことで、少なからず業績に影響が出るのでは?と考えていたのだが、結果は予想に反し、非常に良いものだった。

CVS Caremark Q4 Results Top Estimates, Backs Q1, 2015 Outlook - NASDAQ.com

次の記事が分かりやすい。タバコ販売打ち切りによる売上減は予想より少なかったと報じている。
この記事には、Cigarettes Out, Health In の標語が記された広告写真も掲載されているが、今回の取り組みは、企業イメージをより健康的なものとし、企業価値を向上させたと言えるだろう。

CVS Health: Smoke-Less Sales Drag Less Than Expected CVS WBA RAD - Investors.com

株価は順調そのものだ。下記のグラフにはS&PやDowJonesの指標を一緒に載せていないが、それ以上の伸びとなっている。

CVSの株価推移(Google Finance)

飲食店で全面禁煙にする判断が企業価値を上げた等の話を聞くこともある。これは嫌煙者からすればうれしい取り組みであり、売上向上にも貢献しそうな話である。しかしCVSの取り組みはタバコ販売であり、店内でタバコを吸われるわけでもない。それだけに「タバコを販売する」こと自体に目くじらをたてる人もいなければ、販売を止める話も聞くことがなかった。

CVSの取り組みは、企業イメージ向上、企業価値向上につながった。日本でも同様の取り組みは起こり得るだろうか。(ローソンあたりが取り組むとインパクトがすごいのだが・・・)