2015/04/25

リモートモニタリングはライザップに似ているか

『リモートモニタリングのパイロット事業は入院率の低下につながったが、プログラム終了後、何が起きたか?』というタイトルの記事。

Remote monitoring pilots may drop hospitalizations, but what happens when the program ends? | mobihealthnews
After 30 days, about half as many CCCP patients had been hospitalized as control patients (24 compared to 49). After 60 days, it was about two thirds as many (43 compared to 68). And at the end of the four-month program, CCCP patients had three-quarters as many readmissions (75 versus 97). And at the end of the four months, five CCCP patients had died compared to 12 control patients.  (モニタリングプログラム開始から30日後、入院者数は、49人に対し、コントロール群が24人と半分程度に抑えられた。60日後は68人に対し、43人と3分の2。4ヶ月後で97人に対し75人と4分の3に抑えられていた。4ヶ月後に亡くなっていた人数は、12人に対し、コントロール群は5人にとどまった。 )
Eight months after the program ended, however the CCCP group actually had more hospitalizations (though it still had a lower mortality rate). At the eight-month follow-up, there were 180 hospitalizations in the monitoring group compared to 151 in the control group.  (しかしながら、プログラム終了後8ヶ月で、コントロール群は入院者数が増えてしまった(死亡率は低いままであったが)。 8ヶ月のフォローアップで、コントロール群は180人が入院、比較対象群は151人であった。

上記の記事では、論文のディスカッションの内容にも言及し、プログラム終了後にモニタリング群の方が入院者数が増えてしまった原因として考えられることが書かれている。

  • プログラム参加群に比べ、対照群はハイリスクの患者が先に亡くなってしまっているため、その後の入院率が下がったのではないか
  • プログラム参加群は、プログラムの教育コンテンツのおかげで、病気の兆候に対し感度が上がった結果、より入院してしまったのではないか
  • 一方、リモートモニタリングのおかげで、受身的になってしまい、自己管理のスキルを身につけられなかったのではないか
いずれも興味深い考え方だが、自分はライザップを想像してしまった。ライザップは非常に厳しい管理により、凄まじいダイエット効果を約束しているらしいのだが、その後のリバウンドが・・・という話も聞く。何だか似ているような気がしなくもない。取り組みが良かったという報告はよく聞くが、その後のフォローアップで失敗したという話は多くない。それだけに貴重であり、得るものが多いのではないだろうか。