2015/05/22

地域差を可視化する(Part.1 狭心症カテーテル検査)

最近、医療費の地域差が話題となることが増えてきた。それ自体は悪くないし、適正な医療費のコントロールがなされることで、より重要な目的のために医療資源を使うことができるはずだ。

以前、医療費の地域差はベッド数に依存していることを紹介した。

医療費格差の解明にビッグデータは要らない - 医療、福祉に貢献するために

これは、地域医療構想の中でも大きなテーマとなっている。

今回はもう少し細かな疾患・治療単位での地域差にフォーカスをあて、考えてみたい。基となるデータは、2014年10月時点の都道府県別人口と、2013年度のDPC公開データだ。

日本は国民皆保険制度であり、北海道で受けられる医療と、沖縄で受けられる医療の内容が大きく異なったり、その費用に差異があったりしない。(ただし、非常に特殊な疾患や治療方法であれば、その限りでない) 今回、心臓カテーテル検査、大腿骨頚部骨折の手術、関節リウマチ(手術以外)の入院症例数を都道府県別に比較してみた。

まず今回は心臓カテーテル検査について、65歳以上人口1万人あたりの入院件数を都道府県で比較した見た。その結果がこれだ。

全国最高の沖縄と、最低の新潟の間には4.6倍もの開きがある。年10件未満の病院、DPCデータ未提出病院の件数が考慮されていない、外来での実施が考慮されていない等の事情があるため、これだけで全てを説明できるわけではないが、都道府県間に差異があることは間違いないだろう。

上位の都道府県を見ていると、循環器系の有名な病院が思い浮かんだりもする。やり過ぎとまでは言わないが、地域差が生じている理由は明らかにしていくべきだろう。(続く)