2016/01/08

重症度係数は恥ずべき評価指標

今週初めにCBnewsに掲載された井上先生の記事、おすすめだ。

重症度指数に依存せず、効率性と質の追求を | 医療経営CBnewsマネジメント

特に、一番の核心であるデータ分析に基づく重症度と医療資源投入量の関係性について、CBnewsで読む価値があるだろう。

また、鋭い指摘の一部を引用する。
16年度の重症度係数で高い評価を受けた医療機関の顔ぶれを実際に見ないことには何ともいえないが、高い評価を受けた病院は恥ずべき点があり、改善の余地があるととらえるべきであろう。
調整係数を無くしていく過程の中で、流れと逆行した係数が生まれようとしている。評価すべきはストラクチャーやプロセスではなく、アウトカムである。医療資源を投入し、それに応じたアウトカムが得られているのであれば、評価すべきであり、逆に医療資源を投入したとしても、アウトカムが得られていないのであれば、評価すべきではない。

余談だが、調整係数が低い病院から、

「調整係数を上げる方法はありませんか?」

と質問を受けたことがある。確かに病院の収入を相対的に押し下げている要因であり、改善したい気持ちは理解できなくもないが、こう答えるのが精一杯だった。

「残念ながら、上げる方法はないです。DPC算定する前から、継続して効率的な医療を提供してきた病院なのですから、胸を張ってください」

限られた医療資源・医療財源を有効に使おうとしている病院を評価しなければ、将来は暗い。