2016/04/14

院外処方か院内処方という比較ではなく、医療の質向上の最善策を考えるべき

昨日は、ある病院の理事長と色々な話をさせてもらった。その話題のひとつに、院外処方と院内処方のクオリティがあった。院内であれば絶対的に質が高い、院外は質が低い、という断定的な見方はしないが、人材育成などの観点で、大規模な病院における薬剤師は、非常に成長する機会に恵まれているように思う。特に院内処方もしている病院は最強なのではないかと思っている。もちろん、チェーン薬局でも育成に力を入れていることは知っているが、入院中の治療薬に関する理解や情報(特に問題になった事象の共有など)のボリュームには少なからず差が生じているだろう。

その理事長は、持っている情報の差も大きいと言っていた。院内のすべての情報にアクセスでき、処方・指導できることは、医療の質に大きな差が生じているはずである、と。まだ患者はその違いを理解できていないかもしれないが、決定的な差があるはずで、薬価差益が得られようとも得られなかろうとも、病院としては、医療の質を上げねばならない、とおっしゃっていた。

診療報酬改定で新設された「かかりつけ薬剤師」の制度がうまく行くかどうかの議論とはあまり関係ない。本質的な医療の質を考えたときに、ベストな体制はどうあるべきなのか、ということだ。

持論は門前の調剤薬局の薬剤師がすべて病院に移動したら、医療の質は上げられるのではないか、と考えている。(下記のブログ記事に考えをまとめている)

薬剤師の能力を活かす”ポテンシャル”の可視化 - 医療、福祉に貢献するために

このような、患者がまだ敏感でない「薬剤師の質」に対しては、今までも、色々な方に話を聞いたりしていたのだが、そのひとりがメデュアクトの流石氏(会社概要 経営コンサルティングファーム 株式会社メデュアクト)だ。その流石氏がMMオフィスの工藤氏とセミナーをするらしい。

内容を見ると、かなりニッチなところを攻めてきたようだ。最近、似たような診療報酬改定セミナーで食傷気味の方には持ってこいだろう。個人的にも相当楽しみだ。