2016/04/25

患者が抱く大病院志向を診療報酬で後押ししてはいけない

半年前に福岡で開催された学会で色々な発表を聞きながら感じたことを書いたのが、下の記事。

カバー率は医療の質を表しているか - 医療、福祉に貢献するために

医療機関の努力を評価することは大賛成である。しかしながら、評価の仕組みがうまく出来ておらず、努力しても評価されないのであれば、害悪でしかない。

カバー率は病床数だけで決まってしまう指標であり、病院の努力がまったくといっていいほど反映されない。一般的な患者の抱く大病院志向が極端に進むと、医療連携システムを破壊することになり兼ねない。ちょっとした病気で大学病院や大病院に患者が行くと、本来、希少疾患や重篤な患者を見るべき医療資源が、軽症患者で使われてしまう。2016年度の改定で大病院を紹介状無しで受診した場合、5000円以上の自費での料金徴収を義務化したのは、それを阻止したいためだ。

このような対策を打っているのにも関わらず、カバー率は大病院を評価する仕組みになってしまっている。無条件で大病院が評価される仕組みがあることは理解し難い。ましてや、今年の改定で、カバー率の定義が若干変わったことにより、さらなる大病院評価の動きが加速してしまったようだ。この内容について、先週からシミュレーションしていたのだが、結果はかなり想定以上に大病院が評価されているものであった。なお、このシミュレーションの詳細結果は、今週のCBnews managementに載せていただく予定だ。