2016/06/10

身長がカッコよさに影響するのは分かっているけど、努力を評価するのには適さないでしょ

一昨日、CBnewsにMMオフィスの工藤代表との連載記事を掲載いただいた。

大病院はDPC病院Ⅲ群の方が得なのか? | 医療経営CBnewsマネジメント

肝心のⅢ群の方が得かどうかについては、有料サイトなので、登録いただかないと読めないのだが、今回のカバー率の見直しは納得感が極めて低いものだったのではないか・・・ということを書いた。

カバー率の見直しは最低値を最高値の半分とするこれまでのルールから、最小値・最低値を30%タイル値にする、というものであった。このインパクトに気づいて早く試算をしていれば良かったのだが、そもそもカバー率は病床数に強く依存した係数であり、そもそも改善余地がなく、個人的に興味の薄い係数であった。

改定前に試算した結果、これは大病院が優遇され、中小病院が割りを食ったのでは?とあわてて記事を書いた。

カバー率は専門病院配慮でなく大病院優遇 | 医療経営CBnewsマネジメント

この記事で試算した『答え合わせ』のようなものだが、試算値と実際の値をグラフにしてみた結果が下のものだ。これを冒頭の記事に載せようと考えていたのだが、分かりにくいのでボツにした。
機能評価係数Ⅱ カバー率係数の試算値と実際の値
(DPC病院Ⅲ群で病院群を移動していない病院、新規参加でない病院を対象)
実際に掲載された記事をお読みいただければ、どのようなグラフが採用されたか分かるはずだ。

しかしながら、前年のカバー率係数を使えば、今年度の係数がほぼほぼ試算できてしまうようなものに、一体何の意味があるのだろうか。大学入試の試験科目に『身長』があるような無力感だろうか。無茶を承知で牛乳を飲んだり、魚の骨を食べたところで身長は伸びない。無理矢理伸ばそうと頭にシリコンを入れたり、関節を外したり、骨折したり、痛みの伴うアウトローな方法に手をだすかもしれない。普通の努力では成績が伸びない科目のある受験が良いものとはとても思えない。カバー率は、大真面目に「頑張れば身長は伸びますよ。伸びたところもあるじゃないですか」と言っているようにしか思えない。

ただし、身長同様、カバー率は伸ばしようがない。確率論的な理由により非常に強い制約がある(以下のブログ参照)。

カバー率は医療の質を表しているか - 医療、福祉に貢献するために

角界入りを目指そうにも身長がわずかに足りなかった自分だが(現在、その基準はないらしい)、もし高校や大学、各種資格試験に「身長」があったら、きっと「こんな国はヤダ!」と言って国外へ逃げただろう。

評価するのなら、身長や体重ではなく、体格を反映したBMI値にすべき!!!

と太り気味の自分が言ったところで説得力に欠けるか・・・。

(体重は努力余地があるからいいと思いがちだが、身長150cmと170cmでは同じ70kgでも意味が違うので、評価指標としては不適切。なおBMIも年齢・性別を考慮しないと厳密には現実に則していない)

注:中学時代、学校の授業で相撲があったおかげで、まわしをしめることもできたし、当時は若貴フィーバーで相撲人気もすごかったのだが、運動神経ゼロなので、もちろん角界入りは目指していない