医療、福祉に貢献するために

医療、福祉に貢献するために
~ 株式会社メディチュア Blog

2017/07/23

敷地内禁煙、歩道にも表記が

金曜から台湾に。いくつかの病院を見て回る。
台湾は病院内禁煙らしく、通りに面した病院ではその歩道にも禁煙の表記が。

歩道に面した病院の入り口

歩道のサイン

これから帰国。せっかく来たのに、短すぎてもったいない・・・。

2017/07/22

病棟再編成とは、自院のビジョンと国・地域のビジョンの整合性を図ることだ

MMオフィス工藤氏のfacebookやブログ(下記)にて、昨日のランチョンセミナーの資料が公開されている。

神戸ポートピアホテルで日本病院学会ランチョンセミナ−講師|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ 神戸ポートピアホテルで日本病院学会ランチョンセミナ−講師|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ

この資料には、弊社の資料も一部引用くださっていて光栄だ。

P.11~13の地域医療構想・病床機能報告の病床機能区分と入院単価の資料は必見だ。ただ、この資料を基に『話した内容』が極めて大事であったと思われる。病棟再編成の戦略(≒自院のビジョン)と国・地域の方向性と同一致させるか、という情報がP.13に凝縮されている。

このP.13に病院団体の主張を重ねれば、どのポジションを選択しても、経営が成り立つようにして欲しい、ということになる。個人的には「適切な努力をすれば」経営が成り立つべきだと思っている。努力の範疇を超えた部分は、診療報酬で手当てすべきだと考えている。

2017/07/21

にやついた顔にイラッと来る・・・

先日インタビューしていただいた内容がアップされており、また、その際に撮っていただいた写真も掲載されている。

看護必要度、B項目の議論を注視する理由 - CBnewsマネジメント 看護必要度、B項目の議論を注視する理由 - CBnewsマネジメント

正直、CBnewsや日経ヘルスケアなどにセミナーの案内や執筆記事等で、自分の顔が出てくるのは気持ち悪いものだ。ただでさえ暑い日々に、みなさまを不快にさせてしまっていることをお詫びする。

お詫びついでに、インタビュー記事の補足をfacebookにしておいた。よかったら、こちらもどうぞ。

2017/07/20

地域医療構想と診療報酬改定の連動シナリオを考える

来週の講演資料を作る関係で、過去の対談記事を読み直し。
井上先生の鋭さは、今読み直しても感動レベル。一緒に対談させていただいたこと自体が奇跡、CBnewsの企画に感謝。

なぜ読み直していたか? それは、地域医療構想と診療報酬改定の連動シナリオ、医療・介護需要に応じた看護師配置のシフトを考えていたため。地域医療の継続(≒病院経営の継続)のためには、安心して移行できる「道筋」を示すことが重要である。これは、青森県での研修会にて講師を務めさせていただいたときに、県の担当者や研修会参加者から、改めて学ばせてもらったことだ。

下記の対談、自分の話はさておき、井上先生のコメントは一読の価値がある。まだお読みいただいていない方はもちろん、以前お読みいただいた方も現時点の中医協の議論の進展状況と照らし合わせながら読み返していただければ幸いだ。

CBnews management 筆者対談、今後どうなる急性期
7対1からの切り替えだけでは未来はない - CBnewsマネジメント 7対1からの切り替えだけでは未来はない - CBnewsマネジメント
在院日数が短くなっても、入院が増えない - CBnewsマネジメント 在院日数が短くなっても、入院が増えない - CBnewsマネジメント

2017/07/19

課題解決力を得るためのトレーニング方法

CBnewsに経営人材の育成に関する記事を掲載いただいた。

効率性係数の向上策で課題解決力を身に付けさせる - CBnewsマネジメント 効率性係数の向上策で課題解決力を身に付けさせる - CBnewsマネジメント

課題の真因を探っていると、病棟や様々な部門に加え院外でも、色々な方とコミュニケーションを取らなければならないはずだ。コミュニケーションを取れ、病棟に行け、といっても目的意識がないとなかなか動けない。そこで、そのような機会を積極的に作るためにどうしたらいいだろうか、というような観点から、この記事を書いてみた。

また、人材育成に興味がない方でも、効率性係数を切り口にしているので、その点だけでもお読みいただければ幸いだ。

余談だが、記事のタイトルや中身はうまくまとまっているのだが、実は「編集力」の賜物。もともとはそんなにメッセージ性が強くなかったのだが、校正でカチッとしたものに直していただいた。いつものことながら、読ませる文章が書ける能力はうらやましい。まだまだ自分は精進が足りない(正直、「精進できない」ということも含めて、致命的に能力が不足しているのだと感じている)。

2017/07/09

推測する技術を何かに活かしたい・・・

2月に後発医薬品係数の内示があった時点で、ヒストグラムなどを参考に後発医薬品指数(=後発医薬品使用割合)の分布を下の図のようにシミュレーションしていた。

後発医薬品使用割合の施設分布(弊社シミュレーション結果)
下記ブログ参照

後発医薬品使用割合65%くらいの病院はどうなったのか? - 医療、福祉に貢献するために 後発医薬品使用割合65%くらいの病院はどうなったのか?

2月のグラフは1%刻みで表記していたが、5月の中医協の分科会の資料では5%刻みで示されていたので、同じ間隔で集計し直したものと中医協の資料を比較してみた(下図)。

後発医薬品指数の分布検証(中医協資料と弊社シミュレーション結果の比較)

ただグラフのスケールをあわせ重ねただけだが、ほぼぴったりあっている。というわけで、前年度の係数から後発医薬品使用割合を仮置きし、さらに1年分の伸びを折り込み、強引に試算した施設分布ではあったが、それなりの精度で再現できていたようだ。とはいっても、実際の医療機関の後発医薬品使用割合は分からないため、検証はこの程度でしかないが。

中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会審議会資料 |厚生労働省 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会審議会資料 |厚生労働省
余談だが、各医療機関のデータが手元にないために、このような「推測する技術」を身につけることができたのかもしれないと感じている。何の役に立つかわからないが・・・。

2017/07/07

「タバコ販売」をやめるドラッグストア、企業価値向上に

トモズ、たばこ取り扱い中止 店頭で禁煙支援  :日本経済新聞 トモズ、たばこ取り扱い中止 店頭で禁煙支援  :日本経済新聞

ドラッグストアが健康志向であるならば、タバコを販売していることは理解されにくいことだ。受動喫煙防止に関する法整備等の議論が熱い昨今の事情を鑑みれば、トモズの決断は支持されるのではないだろうか。記事の一部を下記に引用するが、強く同意である。
医薬品や健康食品をメインに扱うドラッグストアとして健康配慮の姿勢を示す。

このような取り組みについては、以前、ローソンとアメリカのドラッグストアチェーンのCVSのことを取り上げた。ローソンが辞められない事情として、タバコ販売の利益貢献が少なくないことを紹介した。またCVSは減収と引き換えに企業イメージ向上を手に入れ、結果として企業価値向上につながったことを紹介した。

禁煙サポートのガムを売りながら、タバコも売るのは、様々な人のニーズに応えているのかもしれないが、理念は共感できない。ただ行き過ぎは利便性低下の可能性も。この点については、ジャンクフードの話題を紹介した下記一番下の記事をお読みいただきたい。



2017/07/06

医療需要推移のビジュアライゼーション

昨日から四国の医療需要推移について分析中。色が赤系に近いほど需要減少、緑系に近いほど需要増加、黄色は増減がないことを表している。(下記グラフは国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計等を参考に弊社で分析、作成)

急性期は四国全域で大幅な需要減少が見込まれる。特に2025年→2040年の減少がかなり厳しい想定。

2025年と2040年の高度急性期・急性期の医療需要(2015年比)
(画像クリックで拡大)

回復期・慢性期は瀬戸内海側と太平洋側で傾向が異なる印象。県庁所在地は需要増加・維持が見込めるものの、それ以外では減少する地域が多い。特に2025年→2040年は、急性期だけでなく、回復期・慢性期も減る地域が多い。

2025年と2040年の回復期・慢性期の医療需要(2015年比)
(画像クリックで拡大)

急性期も回復期も慢性期も需要が減る地域では、機能転換したところでベッド数を維持するのは厳しいだろう。(たとえ自院は維持できても、周囲はそうでない状況になるだろう)

連携強化なども、自院の都合だけで「強化」していくことは極めて難しい地域と言える。このような需要推移が想定される地域において、公立・公的病院では、計画的な人員確保(人員削減も含む)や設備投資が大事であるのだが・・・。

2017/07/05

連携強化、データから課題の可視化にチャレンジ

CBnewsに記事を掲載いただいた。

急性期病院の後方病床確保、今まで以上に重要に - CBnewsマネジメント 急性期病院の後方病床確保、今まで以上に重要に - CBnewsマネジメント

「周囲に後方病床がない」、「後方病床はあっても、ベッドが空いていない」等々、転院できない理由には色々あるだろう。

転院先確保の観点から2つの意見例を挙げたが、他にも「患者・家族が○○病院への転院を嫌がる」などの理由も少なくないはずだ。

このような調査結果が中医協の分科会で示されたこともあり、DPC公開データの分析結果を用いて、自院の課題の可視化ができることを匂わせた記事にした。

課題は地域の事情に大きく左右されるため、公開データの分析だけで明言できるほど甘くはない。ただし、可能性は見えてくるだけに、参考にしてもらえると幸いだ。詳しくは記事をお読みいただきたいが、少しかいつまんで説明すると、下のグラフに集約される。
DPC公開データの「(8)退院先の状況」という資料を基に作成したグラフだ。退院先について、転院の割合が高いところや、施設入所の割合が高いところなど、ばらつきが見られる。自院の周辺に介護系の施設が充実していれば、病態の落ち着いた患者であれば受け入れてくれるだろう。しかし、施設の要望を聞いて、より落ち着いた状態まで退院を遅らせる等のタイミング調整を行えば、結果的に自院の高回転化を阻むこととなる。

急性期病院としては、後方を支える病床・施設、どちらも重要であるが、次回改定が看護必要度の厳格化等の高回転化を促す方向に進むのであれば、ポストアキュート・サブアキュートの患者を受け入れられる病床が大事であると考えている。介護医療院が、現状の後方病床と施設の間を埋めるのかもしれないが、それを待っていては、自院の高回転化に遅れが生じるだろう。

またCBnewsの記事では触れていないが、病院情報の公表で開示されたデータの比較を通じて、疾患単位での連携の課題感把握も可能になった。ある病院向けに報告したレポートでは、かなり興味深い結果となった。何度も繰り返すが、地域の事情を把握した課題把握には、ちょっとしたコツが必要だ(ベンチマーク分析などで苦手な領域。下手にベンチマークをゴリ押しすれば、間違った理解や方向性に至ってしまう可能性も高い)。

ちなみにCBnewsの記事では、上のグラフのⅡ群病院(2015年度)について、病院名を記載し、その特徴などを述べた。また効率性係数との関係をみることで、高回転化の限界を垣間見ることができたかも?と思っている(この部分は定量的な評価をしていない。退院先が効率性係数に与える影響について、統計的に有意差を持って示すことは難しいと思われる)

2017/07/03

回リハの将来を考える上で必読の記事

CBnewsの井上先生の記事。やはり鋭い。

リハビリは量から質の評価に軸足移すべき - CBnewsマネジメント リハビリは量から質の評価に軸足移すべき - CBnewsマネジメント

「リハスタッフを多数抱えれば、単位数を稼ごうとするのは必然」という意見も納得である。

自分のブログで、リハが包括になる可能性について下記のように言及したが、今回の井上先生の記事ではタイトルがそうなっているように、量より質の議論で締めくくられている。

回リハのリハビリ出来高払いから包括払いの可能性
リハビリは、アウトカムをあまり評価していなかった「質より量」の時代から、回リハ1のアウトカム評価のように「量が大事だけど質も無視しない」の時代になっている。今後は「量より質」の時代へ転換していくことを見据え、地域との連携やスタッフの育成をしていく必要があるだろう。

入院初期の医療資源投入量については、多くの病院の評価では差が出なかったとのことだ。MMオフィス工藤氏が言葉を定義してくださっていた「ポストアキュートの回リハ」と「サブアキュートの回リハ」という違いについて、多数の病院で平均値を取ると、ポストアキュート的な回リハがほとんどになり、入院初期の医療資源投入が特段多いものではない、という結果になるのだろう。ゆえに、サブアキュート的な使い方をしている回リハ病棟だけで集計しないと分からないかもしれない。平均値の処理の難しさとも言え、井上先生と自分のN数の違い(井上先生はNが多い)が、分析結果の差異になったと理解している。

井上先生の記事、一読をおすすめする。回リハの今後を考える上で、大事な観点が示されている。

サブアキュートの回復期リハビリ評価という新しい視点|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ サブアキュートの回復期リハビリ評価という新しい視点|「なんちゃって医療経営学」 ㈱MMオフィス代表 工藤 高のブログ

2017/07/02

認定看護管理者 サードレベルの講師を

昨日は神奈川県立保健福祉大学で、サードレベルの講義を担当させていただいた。DPC制度の概要を中心に、ベッドコントロールの重要性を説明させてもらった。重症度、医療・看護必要度のデータ分析を切り口にした病床管理高度化は誰がリードすべきか等の少し未来志向のテーマも盛り込み、好き勝手に3時間目一杯話をしてきた。

さらに、短い時間しか取れなかったものの、ディスカッションを通じて、現場での苦労等が垣間見え、こちらも色々と勉強になった。

ただ、昨日の講義は、いつになく緊張し、変な汗が出っぱなしだった。そして、いつになく疲れた。



2017/06/30

診療報酬は増やせない時代だからこそ、現場負担軽減を

「シンプルな報酬制度」と「きめ細やかな評価を反映した報酬制度」は相反する。そして、財源が不足する環境下では、最小公倍数的な「シンプルかつ大盤振る舞い」的なことは無理である。

だからこそ、限られた財源を効率的に活用しようと次期の診療報酬改定に向けた議論が活発化している。

ただ、その現場の負担を適切に評価する目的で、調査票やアンケートを出せ、現場のデータを取れ等、現場の負担を増やしている側面があることを忘れてはいけない。このような調査は、厚労省から来るものだけでなく、各業界団体や学会からも依頼が来る。

昨今、過重労働、超過勤務の問題が話題になっていることもある。今一度、現場の負担軽減策を考えるべきときではないだろうか。

以前も書いたが、看護必要度のデータは、EFファイルから機械的に抽出できる項目(今月上旬の各医療機関に送られてきた「Hファイル整合性チェック」での指摘事項から、その一端が垣間見える)もあるし、単価(下記グラフ参照)や疾患、年齢とリンクする部分も多い。

A項目2点以上割合と日別入院単価の関係

わざわざ看護必要度を評価しなくても、負担を反映した診療報酬制度は作れるように思う、看護必要度の評価はDPCの機能評価係数Ⅱに織り込むようなイメージで。DPCに参加していない病院は従来通り、看護必要度の評価が必要とすれば、7対1・10対1の病院は、皆、DPC制度に参加するのではないだろうか。DPCと出来高が選べることの問題の解消も進むかもしれない。

2017/06/29

能動的な行動力こそが大事

次期改定の大きな論点となるであろう重症度、医療・看護必要度。中医協で色々資料が出始めてきた。

7対1病棟における看護必要度の該当患者割合
出所: 中医協資料
ここで、昨年9月のCBnewsの拙稿をご覧いただきたい(有料会員でないと2ページ目を見れません、ごめんなさい)。

改定見据え、看護必要度データの精度向上を - CBnewsマネジメント 改定見据え、看護必要度データの精度向上を - CBnewsマネジメント
勝手な想定で、下記のようなグラフを示していた。
看護必要度の該当患者割合施設分布(イメージ)

このグラフでは10対1も含め、だいぶ細かい分類・区分を想定していたが、厚労省の資料はさっぱりとしたものだ。とは言え、中身はほぼ同じだ。

つまり、こういうデータが出てくることは予想ができていたわけであり、すべきことも見えていた。ここで大事なのは、当たった、当たらなかった、ではない。こういう将来が想定されるなら、何をすべきか考え、そして、実行に移すことだ。

このような能動的な行動力こそが、病院経営を大きく左右する。

2017/06/26

自信を持って間違える ~データが読めないことの危険性~

5月末の中医協、診療報酬改定結果検証部会に関する日経メディカルのウェブサイトに載っていた記事。

大病院受診時の「5000円徴収」効果は限定的:日経メディカル 大病院受診時の「5000円徴収」効果は限定的:日経メディカル

詳しくは記事をお読みいただきたいが、抑止効果について、金額の多寡が問題なのだろうか。2年前に中医協の議論についてコメントしたが、単純に金額では動かないという結論がデータで示されていたように思う(弊社のブログ記事では、それを意図的?に違う解釈をしていることについて、問題視したのだが)。
2年前の中医協で示されたデータをちゃんと受け止めていれば、もっと効果的な対策を打てたはずではなかっただろうか。データを都合よく解釈すると、間違った対策につながり、適切な結果が得られない、という教科書的なケースとなった。結論ありきで分析することの危険性が示されたといってもいいだろう。

紹介状なしの受診者割合を下げたいのであれば、金額を極端に上げるか、病院側へのペナルティ(もしくはインセンティブ)を極端に高くするか、の2択になるのではないだろうか。地域の事情を踏まえたデータを収集しておけば、このような方向性の検証もできると思うのだが・・・。

2017/06/25

「がん患者は増えない」に同意

厚労省・眞鍋企画官「がん患者は増えない」 - CBnewsマネジメント 厚労省・眞鍋企画官「がん患者は増えない」 - CBnewsマネジメント

強く同意。

下記は1年以上前にある大学病院向けに作った資料だと思う。

MDC01神経系疾患の疾患構成(DPC病院Ⅰ群・Ⅱ群の施設分布)

MDC01の神経系疾患の将来需要は、脳梗塞を診ているなら増えるかもしれないが、脳腫瘍は増えない、ということを、脳腫瘍の症例比率から示唆した資料だ。

大学病院は脳腫瘍の比率が高いため、市中病院に比べ患者数は増えないだろう。大学病院は「ベッドを埋める」ことが相対的に難しくなる想定であり、クライアントには現時点から対策を講じておく必要があることを述べた。


2017/06/22

回リハのリハビリ出来高払いから包括払いの可能性

昨日に続き、回リハの話。

繰り返すが、回リハの点数は、ベースとなる診療報酬を基準に考えると高くない。昨日は、入院加療の必要性について問題点があることを述べた。今日は、そもそものリハ単位数について述べる。

回リハでは、多くの患者に6単位以上のリハビリが実施されている。リハはその後の日常生活自立度を左右する大きな要因であり、その充実は好ましいことだが、効果のあり・なしにかかわらず、20分1単位として、出来高で報酬を得ることができるのは微妙である。

MMオフィス工藤氏は、「海外等を見れば、長時間リハに耐えることができ、意欲のある人にリハを実施し、しかもリハは包括だ。日本も出来高の時代が永遠に続くことは考えにくい。いずれ包括になる可能性もあるだろう」というようなことを言っていた(自分が聞いたのは、おそらく5年以上前のことなので、多少のニュアンスの違いはご了承ください)。そのときの講演資料は、引用・転載許可をもらって、ことあるごとにいろいろな方に見せてきた。

回リハのリハビリが出来高から包括になる可能性は、


  1. 地域包括ケアのリハ包括
  2. 回リハ1のアウトカムが伴わない6単位以上のリハ包括


これら2つの制度が出てきたことからも、世の中の流れは出来高から包括にである。

包括化されれば、より腕のよいリハ医・セラピストは、少ない単位数で、より効果的なリハを提供し、その分だけ診療報酬を得ることができるようになるだろう。

ただ、なかなか効果は出ないものの、そのときの充実したリハのおかげで、のちのち良くなった、もしくは重症化を予防できた、というような患者に対するリハがないがしろにされてしまう懸念も否めなくない。それだけに慎重に制度設計をしなければならないだろう。

リハビリは、アウトカムをあまり評価していなかった「質より量」の時代から、回リハ1のアウトカム評価のように「量が大事だけど質も無視しない」の時代になっている。今後は「量より質」の時代へ転換していくことを見据え、地域との連携やスタッフの育成をしていく必要があるだろう。

2017/06/21

回リハは高回転化が重要になるはず

回復期リハ病棟の点数は高くない - CBnewsマネジメント 回復期リハ病棟の点数は高くない - CBnewsマネジメント
いつもどおり大幅な校正は入っているのだが、無事、CBnewsに記事を掲載いただけたようだ。回リハの点数が高いか否か、という問いに対する答えは「高くない」であることを述べた。

とはいっても、現状の回リハに問題がないわけではない。問題は大きく2点。

1.在院日数の妥当性(入院での集中的なリハビリテーションの提供の妥当性)

病棟単位での在院日数の差異は、脳血管系の患者割合に左右されるため、なかなか評価が難しいのだが、先日ボツにしたグラフで示したように、療養病床から回リハを届出ているところと、一般病床から届出ているところで、在院日数に違いが見られた。疾患構成の影響以上の差異になっている。療養病床ベースのところほど、稼働率優先の運営をしている可能性が否定できない。この在院日数を延ばしている部分に対する回リハの点数に対し、高いか否かを問われれば、非常に厳しい判断となるだろう。回リハ1でその評価を行うアウトカム指標が導入されていることは、この部分に対しメスを入れていると言える。

2.転院と院内転棟の医療資源投入量の差異

医療資源投入量については、記事でも述べたが、大規模なデータによる評価が欲しいところだ。回リハも高回転化すると、リスクの高い患者を診る比率が高まる。何らかの手当が必要だ。ただし、記事で述べなかったこととして、転院の患者と院内転棟の患者では、そのリスク・コントロールが異なっているのでは?と考えている。院内転棟は、リスクを慎重に判断し、急性期から回復期リハ病棟に送っているはずだ。一方、転院の場合は、むしろリスクのある患者ほど優先して別の病院の回リハに送ってきていることもありえるだろう(露骨にそんなことをしている病院はないだろうが)。この判断は相当難しく、自分の範疇を超えているため断念したが、ぜひ中医協の場で議論してもらえると、医療機関にとっても、患者にとっても、よい診療報酬制度になるのではないかと思っている。

というわけで、中医協の議事録を読んでないので、はっきりは分からないが、支払側の委員も「回リハが高い」と言わずに、1のような具体的な指摘をしていたら、稼働率優先の回リハに対し厳しい評価を下すことができ、かつ、その手法も回リハ1のアウトカム指標の拡大・厳格化という流れも明確になったのではないかと思うのだが・・・。

こんなことを考えていたので、先日の在院日数の比較や稼働率の比較を入院料やベースとなった病床種別などで行っていたわけである。そんな検証を病床機能報告のデータから行えるのだ。なかなか便利な環境である。

先日の検討記事⇒ 病床機能報告から回リハの実態に迫る・・・のは難しい 

2017/06/20

病床機能報告から回リハの実態に迫る・・・のは難しい

病床機能報告(2016年度)のデータから、回リハの分析。47都道府県のデータが開示されているわけではなく、あくまでも一部のデータ。わずか4県(でも100病院弱、130病棟くらいのデータにはなっている)。

CBnewsの原稿として、先週からずっと分析していたのだが、ボツにしたグラフの一部を紹介(今回は本当にたくさんのボツの表・グラフが・・・)。


まず、病棟ごとの平均在院日数は、受け入れている疾患構成に依存している。そのことを見たグラフ。当然の結果。

回リハ1は高回転、回リハ2・3はそうでない・・・と言いたかったものの、一般病床での回リハと、療養病床での回リハとで、違いが出てしまっている。しかも、回リハ1は脳血管リハの比率が高いため(後述)、結果として在院日数が回リハ2・3よりも長い傾向に。高回転を証明できず。

回リハ1は重症者の割合等の要件があるため、結果として脳血管の患者比率が6割~7割程度と高く、回リハ2・3は4~5割と低くなっている。そのため、上述のとおり、平均在院日数に違いが生じていると思われる。

最後は病床利用率。療養病床ベースのところの方が総じて利用率が高い。

といった基本情報を見ながら(100病院・130病棟あるからサンプリング数としては十分とも言えるかもしれないが、たった4県分と地域に偏りがあるため、あくまでも参考情報)、回リハの今後について考えた。詳しくは、CBnewsに載せてもらえたら、その原稿を(原稿自体がボツになってしまったら、ごめんなさい)

2017/06/14

9月23日にCBnewsプレミアムセミナーにて講師を務めさせていただきます

ご案内。

9月23日にCBnewsプレミアムセミナー - 医療介護CBnews 9月23日にCBnewsプレミアムセミナー - 医療介護CBnews

こういった類の仕事は、どんな内容でも、どんな人数でも、どんな場所でも、とても緊張するのだが、正直、もう今から緊張。緊張を乗り越えるには、入念な準備しかない。精進あるのみ。

2017/06/10

患者年齢層の違いは将来需要の差異につながる

先日の中医協、入院医療等の調査・評価分科会の資料について。

中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省

7対1病棟は相対的に若い患者が多いとのこと。

出所: 上記分科会資料

このような入院料の違いによって生じる患者年齢層の違いは、今後の人口推移との掛け合わせにより、需要が異なってくることを意味している。

今後10年~15年ほど、団塊の世代が80代~90代に達するため、地域包括ケア病棟や療養病棟は需要が増える。一方、7対1病棟は、そこまで需要が増えない。(ただし、地域差も激しいため、あくまでも増える・増えないは日本全体の平均値的な考え方)

ここ半年ほどセミナーや講演会で繰り返し述べていたのが、下記のグラフ。

7対1病棟や10対1病棟が対象となるDPC算定病棟の中でも、特に大学病院本院は若い世代が多いということを、病院指標の公表データから作成している。

出所:各病院ウェブサイト(病院指標の公表 2015年度実績)のデータを基に作成
(クリックすると拡大します)

上のグラフは全DPC病院の平均値に黄色い線を引いてあるのだが、ほとんどの大学病院本院は、それよりも若い世代の患者数の比率が高くなっている。

特定機能病院だけをまとめた資料であれば、先日の分科会でも示されていた(下記参照)。
出所: 上記分科会資料(オレンジ枠は弊社で付記)

年齢層の違いは、機能・役割の違いでもあり、それ自体には問題がないのだが、将来の医療需要という点においては、今後、急速に需要が減少する可能性がある(団塊ジュニア世代の影響もあるので単純ではないが)。

地域医療構想等で示されている地域全体の需要推移と、自院の需要推移には、ギャップが生じることを認識すべきだろう。

2017/06/09

「退院困難な要因の内訳」で示されたポイントを盛り込んだ記事になってて自分でも驚いた

先日の中医協、入院医療等の調査・評価分科会の資料について。

中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省

退院困難な要因の内訳が示されていた。急性期病棟では、「緊急入院であること」が最も多く選択されていた。また、悪性腫瘍・認知症・誤嚥性肺炎などの疾患もその理由に挙げられていた。⇒下記資料に赤枠を付記
出所: 上記分科会資料(グラフ上の赤枠・青枠は弊社で付記)

この赤枠内の話、ちょうどこの分科会の朝、公開されたCBnewsの記事(退院支援強化で看護必要度厳格化を乗り越える)に書いた内容だ。

そして、入院前との比較はしていないものの、ADLが低下している患者(上記資料の青枠)が、このCBnewsで述べたかった主題である。この青枠は後方病床に行くと、一番の理由になっていることからも、連携をスムーズに進める上で、ADLが低下している患者を意識した改定が望まれる。

詳しくはCBnewsの記事に、独自データ分析を交えて書いたので、お読みいただければと思う。

2017/06/08

退院支援はますます重要に

CBnewsに記事を掲載いただいた。

退院支援強化で看護必要度厳格化を乗り越える - CBnewsマネジメント 退院支援強化で看護必要度厳格化を乗り越える - CBnewsマネジメント

看護必要度の厳格化に向け何をしたらよいか、考えてみた。参考にしていただけると幸いだ。

2017/06/07

メイヨーの”The 2020 Initiative”

Wall Street Journalゆえ、読みやすく、分かりやすい。

Mayo Clinic’s Unusual Challenge: Overhaul a Business That’s Working - WSJ Mayo Clinic’s Unusual Challenge: Overhaul a Business That’s Working - WSJ

気になった箇所、抜粋しようと思ったものの、簡潔にまとめる能力がないことを思い出した。
The overhaul, called the Mayo Clinic 2020 Initiative, is well past the halfway point, and officials are seeing results of more than 400 projects aimed at squeezing costs and improving quality in services ranging from heart surgery to emergency-room waiting time.

Expanding the role of nurses in the care of epilepsy patients shaved an average of 17 minutes off the time doctors spent on a visit, increasing slots for new patients. Adding more clinicians to the emergency room during the afternoon reduced patient waiting times during high-demand evening hours.

The operating-room teams competed in contests to reduce the time from “wheels out”—when one patient’s surgery was over—to when the room was set up for the next patient. Results for each surgeon’s room were posted, and staff met to discuss what worked and what didn’t. No team was declared a winner, but the exercise trimmed average turnover times about 50% to between 20 and 30 minutes, Dr. Dearani says.

The overall effort revealed two main cost drivers: a patient’s length of stay and the surgeons’ use of mechanical heart valves. So many valve brands were on the shelf, Dr. Dearani says, “it was like going into a shoe store.”The clinic, one of America’s largest users of such valves, decided to use its purchasing power to negotiate lower prices and limit surgeons to models from two vendors. 

In 2000, after undergoing an open-heart operation to replace the valve, she spent six days in the hospital.In May, the mother of two was back to have the device replaced. The morning after her third night, her doctors decided she was progressing so well they would discharge her to a hotel that day.

2017/06/02

女性が男性に比べに多く流入(残留)している地域の特徴を探る・・・

患者流出入はこれまでも色々調査している。また、人口流出入も同様だ。
先日は大学進学時に、東京に流入していることを述べた。

大学進学時の他都道府県への流出を止めることと病院経営の関係性 - 医療、福祉に貢献するために 大学進学時の他都道府県への流出を止めることと病院経営の関係性 - 医療、福祉に貢献するために

今回は、流出が多いか少ないかではなく、相対的に女性が多いか少ないかを見た。

東京は流入が多いことも特徴だが、男性以上に女性が流入している。一方、愛知も流入が多いのだが、女性以上に男性が流入している。

そんなことを全国で見たのが、下のグラフ。
出所:人口動態調査 2017年4月
何を考えていたのか?
地域によって、今後、医療職の働きやすさが変わってくるのでは・・・ということなのだが、すっきりとした示唆・結論はなかった。残念。

2017/05/31

高齢化が進んだ日本の情報が価値を生む

介護施設における予期しない死亡者数の推移に関する研究の話題。

Study reveals increase in premature deaths of nursing home residents in Australia Study reveals increase in premature deaths of nursing home residents in Australia
オーストラリアで、10年前と比較し施設での予期しない死亡者数が大幅に増えているらしい。

世界初の調査結果らしいのだが、人口動態調査(人口動態調査|厚生労働省)の死亡場所(老人ホームと介護老人保健施設)と死因(不慮の事故)の人数で、グラフを作ってみた。

直近の2015年データ(2016年公表)を用いている。直近のデータだけで年次推移を見ているので、2012年以前は5年間隔になってしまっているのはお許しを。


増えてる。(おそらく、自分が今グラフにして知っただけで、この領域の人達にとっては常識なのだと思う・・・。補足すると、増えていることが単純に悪いのではなく、割合で評価しなければいけないし、時代とともに受け入れている対象者が変わっている可能性もあるので、割合で評価することも単純ではないはず)

そして、この研究をしているオーストラリアの教授が次のように述べている。
“Improving the quality of care for nursing home residents requires a better understanding of how, why, where and when they die. The global population is ageing rapidly, and the need for aged care services is consequently increasing,” Professor Ibrahim said. 出所: World first study reveals increase in premature deaths in Australian nursing homes - Monash University



日本でこのような研究をされている方であれば当然のことなのだろうが、あらためて、高齢化の進んだ日本から、この領域で世界に向けて情報発信するは極めて価値が高く、また世界が情報を欲しているのだと理解した。

2017/05/27

「薬が必要かもしれないけど、歩くのもいいよ」が評価され、報酬になる時代はいつくるのか

Poll: Doctors Are Prescribing Back Pain Treatments That May Do More Harm Than Good : Shots - Health News : NPR Poll: Poll: Doctors Are Still Prescribing Lots Of Opioids For Low Back Pain : NPR

腰痛に対し、オピオイドがたくさん処方されているという記事。セルフケアへの取り組み方や、痛みの改善状況について、学歴、世代、収入などで比較している。

こういう記事を読むと、診療報酬などで誘導することも大事だが、ヘルスリテラシーの向上も大事だな、とあらためて思った。

記事の最後、いい医者であるために患者に薬を処方しながら、その患者にかけた言葉。
'You've had back pain in the past, it would be really good to focus on physical activity. Walking is good for it, even if it makes it a little more sore.'
少し痛いかもしれないけど、歩くのもいいですよ、と。薬を出さなくなったら、評価される仕組み。日本では、現状、多剤処方の患者だけが評価されるようになったが、さらなる拡大が必要なのかもしれない。

2017/05/25

看護師を始めとした医療者の貢献を適切な報酬に。厳格化は慎重に議論すべき

CBnewsに記事を掲載いただいた。


看護必要度データの分析結果を交えながら、乱暴に厳格化をすれば、今、現場が連携で一番苦労している高齢者にしわ寄せが言ってしまう可能性を述べた。

特に社会的事情が影響しなかなか転院・退院ができない患者については難しい状況にある。ただ、記事には書かなかったが、退院調整加算→退院支援加算など、連携強化の取り組みを後押ししてきた時代的な流れを考えると、「まさか何も準備してないわけはないよね?」「財源は厳しいから悠長なことは言ってられないよ」というような現場から距離がある人達の考えていることも透けて見えてくるだけに、ある程度の厳格化は覚悟しなければならないだろう。

そして、看護必要度の影響は、病院で見ている患者の病態によって、千差万別であることを述べた(データで見たのは、その一端でしかないが)。従来から繰り返し述べえいるとおり、疾患と病態である程度看護必要度が決まるだけに、厳格化は全国の病院が一律厳しくなるのではなく、特定の病院が壊滅的ダメージを受けることが想定される。(厳しくしすぎれば、その範囲が広がるだけで、影響がないところはいつまでも問題なしである)

そもそも厳格化の議論の目的が「急性期病床を減らすこと」にある(明言していなくても、資料等から、そう読み取れる)のが厄介だ。「適切な報酬分配と患者負担」ということが目的になっていれば、厳格化以外の方法(1入院包括化や効率性係数の比重向上など)とどちらが医療体制を壊さずに目的を実現できるかという議論になると思うのだが・・・。

いずれにせよ、看護必要度の議論は、これから本格化してくるだろう。そこで、別の機会に、厳格化で高いハードルが設定されれば病院がそれを超えようとするいたちごっこの繰り返しになる改定よりも、現場の負担を診療報酬に適切に反映できる手法について、整理し述べてみようと思う。そのアイデアの断片的なものは、下記に書き留めている。ご参考まで。

2017/05/24

『データベース自体が貧弱なままでは競争優位性はすぐに失われる』はデータの資源化と同義

昨日、機械学習の話題を書いたら、ちょうど週刊医学界新聞に、松尾先生と宮田先生の対談の記事が載っていた。

医学書院/週刊医学界新聞(第3224号 2017年05月22日) 【対談】人工知能×医療 世界と勝負するための大局観を実装する 松尾 豊氏(東京大学大学院 工学系研究科特任准教授) 宮田 裕章氏(慶應義塾大学医学部 医療政策・管理学教室教授) 医学書院/週刊医学界新聞(第3224号 2017年05月22日)
まさに昨日の話題と同じ点が指摘されていた(以下の引用参照)。
松尾 実際に見学すると勉強になるし,画像診断や薬剤管理など,さまざまな場面でAI活用の可能性を感じました。一方でショッキングだったのは,採用しているITシステムの使い勝手が悪いことです。同じような情報をあちこちに入力して,データが紐付いていない。「多忙にもかかわらず,なぜこんな無駄なことに貴重な時間を使っているのだろう?」と,素朴な疑問を感じました。 
宮田 今は病院あるいは部署ごとにシステムが違うなどデータベースがタコツボ化していて,インフラ構築のコストはかかるし,データの収集・分析も難しい状況にあります。AIによってイノベーションを起こしたとしても,データベース自体が貧弱なままでは競争優位性はすぐに失われるでしょう。ICTプラットフォームの構築は,重要な課題です。
引用した箇所以外も大変興味深い内容だった。

2017/05/23

機械学習活用時代を見据えたデータの統合・蓄積の重要性

人工知能・機械学習の話題が多いのは今に始まったことではないが、医療の領域も、この手の話題は多い。画像診断の領域などは、急速に進歩しているように思う。

画像診断の流れで、その先について述べていた記事(Machine learning can bring more intelligence to radiology | Information Management)で興味深いものがあった。
Once economic and IT barriers are addressed, machine learning has the potential to dramatically improve the ability of physicians to establish a prognosis. For example, it could be used to look at all lung cancer patients and then correlate them with their lab values, genetic profiles and diagnostic images to find patterns that help doctors. 
肺がんの診断が例に上がっているが、血液検査等の結果や、遺伝子情報、画像診断結果等の相関関係を見るようなことで、劇的に医師の能力が高まる可能性を指摘している。ただ、経済面とITの両面の障壁が低くなっていることが前提ではあるが。
But according to Geis, we might also see applications of machine learning where the data that’s generated helps to measure value in medicine. Machine learning has the potential to look at medical data—EHR data, financial data, measurement of outcomes—and search for patterns based on individual providers or groups of providers. That would enable algorithms to tease out individual contributions to care.

さらに、電子カルテデータや財務データ、医療の質のデータなども見ることで、ケアの向上につながるアルゴリズムができるだろうと述べている。

医療の世界において、特定領域での機械学習活用の先にあるのは、様々な統合されたデータによる医療の価値向上の模索ということだろう。そのためにも、データを統合しておくことが重要である。もし病院内でデータが分断しているような状況があれば、それは将来、このような技術活用で大きく出遅れることを意味しているのかもしれない。データは資源だということを何度も述べているつもりだが、様々なデータを有機的につなぎ、活用できる形でデータを貯める、ということに対する重要性が増しているということだろう。

引用した記事はこちら
Machine learning can bring more intelligence to radiology | Information Management Machine learning can bring more intelligence to radiology | Information Management
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