2017/08/25

看護必要度の議論には、マクロな情報とミクロな情報をバランス良く揃えることが重要

昨日開催された入院医療等の調査・評価分科会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)審議会資料 |厚生労働省)を傍聴してきた。

看護必要度のデータが示されたのだが、現場の医療従事者のケアの負担に対する「適切な評価」と、看護必要度を評価するための研修等も含めた「作業負担」についてフォーカスがあたっていたように思う。前者「適切な評価」については論点が曖昧で、提示されたデータでは核心に踏み込むことができていないように感じた。一方後者「作業負担」は、DPCデータを活用し評価ができないか意見が出されていた。

個人的な考えは、以前CBnewsで述べたとおりで(下記の記事を参照いただきたい)、昨日の分科会でも話題が出ていた評価期間の問題があるならば、機能評価係数Ⅱに盛り込んでしまうような方法もあるだろうと考えている。

看護必要度の評価は要らない!? - CBnewsマネジメント 看護必要度の評価は要らない!? - CBnewsマネジメント
昨日の分科会で示された看護必要度のデータは、調査票を用いたものが多く、Hファイルを用いたものはほとんど無いように思われたため、あまり興味深く感じたものはなかった。ただ、参考までにマクロな視点で、下記のような看護必要度が30%台後半、40%台の病院がある・・・ということが示されたのは面白かった。分科会では「スーパー10対1」といったように言われていたかと記憶しているが、このような病院の実態をミクロな視点で把握することは、何かしら参考になると思う。
平均在院日数と看護必要度の関係(昨日の分科会資料から引用)

ご参考までに、昨年度の病床機能報告で、東京都渋谷区の伊藤病院の看護必要度は39.3%、平均在院日数は6日くらいになっているので、この上の図で見ると、7対1の上位1%くらいの病院であると思われる。

平成28年(2016年)報告 区西南部二次保健医療圏における医療機能ごとの病床の状況(許可病床) 東京都福祉保健局

伊藤病院 13_1303_11328441itobyoin.pdf

伊藤病院が上位1%と言われれば、誰もが納得のような気がするのだが、在院日数が長くて、看護必要度の高いような病院についても調べると、この看護必要度の問題点が見えてくる・・・。