2018/05/13

看護職員の離職率。今回は新卒の離職率の要因を・・・

先日、公益社団法人日本看護協会で公開された調査結果(下記)から、看護師の離職率の可視化を試みた。

2018年5月2日【「2017年 病院看護実態調査」結果報告】
看護人材の地域での活用に看護管理者の関心高く/離職率は横ばい続く PDFリンク

都道府県別のデータ(2016年度(2017年度調査))で地域性を見た。まず、正規雇用看護職員(緑色の日本地図)。色が濃いほど離職率が高い。


この分析結果は、以前、ブログに書いている。また、MMオフィス工藤氏のCBnews記事に分析データを提供した。

表に出る「データ分析」としては、これが今年最後か - 医療、福祉に貢献するために 表に出る「データ分析」としては、これが今年最後か

看護師離職率は地域の病院数と正の相関 - CBnewsマネジメント 看護師離職率は地域の病院数と正の相関 - CBnewsマネジメント
直近の数値にアップデートしても、大きな傾向は変わらず。やはり病院数が多いところは離職率が高い。



次に新卒看護職員(赤色の日本地図)。さきほど同様、色が濃いほど離職率が高い。



新卒看護職員の離職率には地域性が見られない。都道府県別のデータによる相関係数で評価したところ、病院数・病床数などはあまり関係がないと言えそうである。気になったのは、次の2点。
  • 正看護師と准看護師の比率で、准看護師の比率が高いところは、新卒離職率が高い
  • 正看+准看の人数に対し介護福祉士が多いところは、新卒離職率が低い
あくまでも、都道府県別のデータで大まかな傾向を探っているだけなので、統計的な有意差など厳密な評価ではない。ただ、新卒看護師の離職率を下げるには、准看護師を減らし、介護福祉士を増やせばよいか? 検討の余地がまったくないわけではないだろう。医療機関個別の離職率で評価すれば、信頼性の高い検討ができそうだ。

余談。ゴールデンウィーク明けにスタッフがデータ準備をしてくれていたのだが、整理するのが遅くなりごめんなさい・・・